市場調査データ
ハウスクリーニング
単身世帯、共働き世帯や高齢者世帯の増加を背景に、家庭における大がかりな清掃や特殊な清掃が、ハウスクリーニング業者に委託されるようになってきている。以下では、ハウスクリーニングについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で4%、男性4%、女性3%となっている(表1、図1)。利用率が最も高いのは、50代男性と60代女性(7%)であり、次いで、30代男性(6%)、40代・50代女性(5%)の利用率が高い。
また、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べると高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用率が低いため、利用頻度の分布にはばらつきが見られるが、全体では、3年に1回未満の利用者(42%)が最も多い(図2)。他は、「年に1回(14%)」、「1~2年に1回(14%)」、「2~3年に1回(10%)」の利用者が多い。
利用頻度が比較的高いのは、30代・50代男性であり、30代男性利用経験者のうち45%が半年に1回以上利用し、27%が月に1回以上利用している。また、50代男性利用経験者のうち29%が半年に1回以上利用し、12%が月に1回以上利用している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
利用金額も、利用頻度同様、分布にばらつきが見られるが、1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で、1~3万円未満(30%)の範囲であると考えられる(図3)。 また、1回に10万円以上使うユーザーも利用経験者全体のうち15%程度存在している。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、40代以上の女性で高い(表2、図4)。最も積極的利用意向が高いのは、40代女性(20%)であり、次いで50代女性(19%)、60代女性(16%)の利用意向が高い。
ハウスクリーニングの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、30代・40代女性で高く、いずれも50%を超えている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は全ての年代・性別でプラスとなっている(図5)。とくに20代~50代女性の積極的潜在需要は大きいと言える。また、全ての年代で女性の方が男性よりも潜在需要が大きい。
ハウスクリーニングの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20代~40代女性で大きいと言える。また、ここでも、全ての年代で女性の方が男性よりも潜在需要が大きい。
全体的にリピート率を向上させてゆくとともに、20代~50代を中心とした女性や男性の関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。
図5 潜在需要
※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯がハウスクリーニングなどの家事代行にかける年間支出金額平均は、2009年で885円、2012年で1,374円となっており、増加している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、単身世帯や高齢者世帯の増加などを背景に、現在の利用率等は傾向として若干上がっているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2009年11月13日~11月27日
- 調査対象:
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株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1287人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月