市場調査データ

家具修理サービス

家具修理サービスは、節約志向や「思い入れのある家具を長持ちさせたい」というニーズの下に注目されているサービスである。以下では、家具修理サービスについて、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

家具修理サービスへの利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で3%、男性、女性ともに3%であり、現時点での利用率は低いといえる(表1、図1)。

年代・性別に見ると、20代女性(8%)の利用率が比較的高い。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度は、「3年に1回未満」での利用が多い(図2)。利用経験者全体のうち、「3年に1回未満」の利用者は67%となっている。

また、一般に、女性よりも男性の方が利用頻度は高いといえる。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額に関しては、バラツキがあるが全体で「1,000~2,000円未満」がボリュームゾーンだと考えられる(図3)。利用経験者全体の19%が「1,000~2,000円未満」の範囲内で利用し、12%が「1,000円未満」の範囲内で利用し、9%が「2,000~3,000円未満」の範囲内で利用している。

年代・性別では、概ね男性よりも女性、そして高い年代であるほど1回あたり利用金額は高いという傾向が見られる。利用経験者のうちで、1回あたりに1万円以上を使うユーザーは、40代女性で75%、60代女性で67%、50代女性で50%となっている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で10%、男性8%、女性12%であり、女性の利用意向の方が高い(表2、図4)。積極的利用意向の分布は、30~40代女性を中心に広がっている。

家具修理サービスの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代を除く全ての年代で40%を超えている。消極的利用意向の分布も、30~40代女性を中心に幅広い層に広がっている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、全ての年代でプラスとなっている(図5)。積極的潜在需要は、とくに30~40代女性に多く存在していると考えられる。

家具修理サービスの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、30~40代女性を中心に幅広い範囲に多く存在していると考えられる。

今後は、30~40代女性を中心とした幅広い層の関心を喚起し、新たなサービス利用に結びつけていくことが、成功の鍵といえるだろう。サービスそのものの積極的な告知により、幅広い層への認知度と利用率の向上を図ることが有効であると考えられる。

また、1回あたり利用単価の高い40代以上をターゲットに絞って高級家具の修理に特化する道もあるといえる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が家具・家事用品関連サービスにかける年間支出金額平均は、近年、4,200円前後で安定的に推移してきている。本レポートのアンケート調査は2011年に行われたものであるが、現在の利用状況も大きな変化は無いものと考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2011年7月9日~7月18日

調査対象:

国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月