市場調査データ
衣服リフォーム・サービス
衣服リフォーム(修繕)サービスは、消費者の節約志向を背景に、幅広い年代・性別において潜在需要が眠っていると考えられる。以下では、衣服リフォーム・サービスについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で10%、男性10%、女性11%であり、若干女性の利用率の方が高い(表1、図1)。
年代・性別に見ると、利用率は全体的に10%前後の水準に収まっている。
女性および30代以上男性においては、利用率に比べ「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度は、20~30代男女で比較的高いといえる(図2)。利用経験者のうち、「半年に1回」以上利用するユーザーの比率は、20代男性が43%、30代男性が27%、20代女性が25%、30代女性が19%となっている。とくに20代男女の利用経験者の中には、「月に1回」以上利用しているユーザーが13~14%存在している。
全体的に見れば、「2~3年に1回」と「3年に1回未満」の区分の境がグラフのほぼ50%の水準に位置していることから、「3年に1回」が利用経験者の一般的な利用頻度(中央値)であると推定できる。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額に関しては、全体では、「1,500~2,000円」の区分がグラフの50%の水準に位置していることから、「1,500~2,000円」が一般的な相場(中央値)だと考えられる(図3)。
1回あたり利用金額が比較的高いのは、40代以上女性だといえる。利用者全体のうち、1回に3,000円以上を使っているのは、40代女性で29%、50代女性で37%、60代女性で40%である。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で19%、男性16%、女性23%であり、女性の利用意向の方が高い(表2、図4)。
衣服リフォーム・サービスの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代男女を除く全ての年代・性別で50%を超えている。
消極的利用意向の分布は、男女ともに30代をピークとして幅広い年代層に広がっている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっており、20~40代女性に比較的多く存在していると考えられる(図5)。
衣服リフォーム・サービスの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20~40代女性と若い年代の男性を中心に幅広い年代・性別に存在している。
今後は、20~40代女性と20~30代など若い男性を中心とした層の関心をいかに喚起し、さらなる来店利用に結びつけていくかが、成功の鍵といえるだろう。また、ポイントカードの導入や、衣替えの時期など季節ごとに衣服リフォームの案内を出すなど、既存顧客のリピート率向上のための施策も重用だといえる。
図5 潜在需要
※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が被服・履物修理にかける年間支出金額平均は、近年、700円前後で安定的に推移している。本レポートのアンケート調査は2011年に行われたものであるが、現在の利用率等も大きな変化は無いものと考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2011年7月9日~7月18日
- 調査対象:
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国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月