市場調査データ

コイン洗車場

コイン洗車場のような無人サービスは、現金収入、人件費の低さなどのメリットから、遊休地を利用して事業を始めるケースが多い。以下では、コイン洗車場についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で24%、男性28%、女性21%となっており、男性の方が女性よりも利用率が高い(表1、図1)。年代別に見ると、20代では女性、30代以上では男性の方が、利用率が高い。最も利用率が高いのは40代・50代男性(33%)であり、次いで30代男性(30%)の利用率が高い。

また、全体的に利用率に比べ「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が大きく、リピート率が低いことも窺える。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度が比較的高いのは50代男性となっている(図2)。50代男性では利用経験者の48%が2~3カ月1回以上利用し、24%が月に1回以上利用し、10%が月に2~3回以上利用している。週に1回以上利用するヘビーユーザーは、30代男性利用経験者の5%、50代男性利用経験者の4%などとなっている。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額のボリュームゾーンは400~600円未満の範囲であると考えられる(図3)。利用経験者全体の37%が400~600円未満の範囲内で利用し、51%が300~700円未満の範囲内で利用している。

1回あたり利用金額が比較的高いのは30代男性であり、30代男性利用経験者の60%が1回に500円以上を使い、31%が1回に900円以上を使っている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、20代では女性、30代以上では男性の方が高い(表2、図4)。積極的利用意向が最も高いのは、40代男性(30%)であり、次いで50代男性(25%)、30代・60代男性(23%)で高い。

コイン洗車場の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、30代男性(80%)と40代男性(78%)で高くなっている。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、全ての年代・性別でゼロまたはマイナスになっている(図5)。

コイン洗車場の利用に否定的な意向を持たない層をも加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20代~30代男女と40代男性で比較的大きいと言える。

現在の需要を維持し、リピート率を上げつつ、20代~30代男女と40代男性の関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言える。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が洗車等の自動車等関連サービスにかける年間支出金額平均は、近年、7,000円前後で安定的に推移している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、利用率等にも大きな変化は無いと考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2009年6月25日~7月9日

調査対象:

株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1192人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月