市場調査データ
一人用カラオケボックス
一人用カラオケボックスは、通常のカラオケボックスよりも狭い個室にカラオケ機器を備えた、一人使用専用のカラオケボックスである。一人で歌を歌いたい時や個人で歌の練習をしたい時などに利用される。市場に登場してまだ日が浅いが、既に固定客も出てきているようである。以下では、一人用カラオケボックスについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で3%、男性4%、女性2%であり、男女ともに未だ利用率は低い段階だといえる(表1、図1)。
年代別・性別に見ると、若い年代の男性で利用率は比較的高く、20代男性で8%、30代男性で6%の利用率となっている。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、20代・30代女性の利用頻度が比較的高いといえる(図2)。利用経験者のうち、月に1回以上利用する人の割合は、20代女性で57%、30代女性で50%となっている。また、20代女性の利用経験者の中には、ほぼ毎日通っているユーザーも14%程度存在している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額は、「1,000~1,500円未満」がボリュームゾーンであると考えられる(図3)。この範囲内に利用経験者全体の33%が収まっている。
また、「700~1,000円未満」の価格帯の下側がグラフの50%の水準に位置していることから、1,000円を少し下回る程度が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であろうと推定できる。
1回あたり利用金額は、一般に、女性よりも男性で比較的高いと考えられる。利用経験者のうち、1回に1,500円以上を使うユーザーの割合は、30代男性で27%、20代・40代男性で25%となっている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で11%、男性11%、女性11%であり、男女での利用意向に差は見られない(表2、図4)。また、積極的利用意向は、おおむね若い年代であるほど高いといえる。
一人用カラオケボックスの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代男性を除く全ての年代・性別で20%以上となっている。消極的利用意向も、おおむね若い年代であるほど高いといえる。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっている(図5)。とくに若い年代であるほど、積極的潜在需要は大きいといえる。
一人用カラオケボックスの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)も全ての年代・性別でプラスとなっており、おおむね若い年代に、消極的潜在需要は比較的多く存在していると考えられる。
一人用カラオケボックスは、市場に登場して日が浅いため、認知不足やサービス内容の理解不足もまだあるかもしれない。しかし、潜在需要は若い年代を中心に幅広い層に存在しており、市場が成長する余地はあると考えられる。
図5 潜在需要
※一人用カラオケボックスの歴史は未だ浅く、利用率も低い状態にある。本レポートのアンケート調査は2012年に行われたものであるが、その後の認知度の向上や口コミなどによって、現在の利用率等は若干上がっているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2012年6月2日~6月29日
- 調査対象:
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国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,084人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月