市場調査データ
カルチャースクール
カルチャースクールの形態は、各種学校の認可を受けたものから、商業施設内での各種教室や自宅を利用しての個人教室まで様々である。以下では、カルチャースクールについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、女性が8%、男性が3%、男女合わせた全体で6%となっている(表1、図1)。20代においては男性の利用率の方が女性よりも高いが、30代以上においては女性の利用率の方が男性よりも高くなる、という傾向が見られる。
表1 現在の利用状況
図1 現在の利用状況
現在の利用者を対象に利用頻度を見ると、「月に2~3回(30%)」と「週に1回(29%)」の利用者が多く、両者を合わせると全体の約6割を占める(図2)。他は、「週に2~3回」が3%、「月に1回」が16%、「2~3ヵ月に1回」が7%、「半年に1回」が16%という分布になっている。
図2 利用頻度 (現在の利用者を対象としたもの)
1回あたりの利用金額に関しては、「1,500~2,000円未満(14%)」と「2,500~3,000円未満(14%)」そして「1,000~1,200円未満(13%)」が多い(図3)。他は、「3,000~5,000円未満(12%)」「2,000~2,500円未満(12%)」などの利用金額が多くなっている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後の利用意向に関しては、女性を中心に「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」の比率が高い(表2、図4)。「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい」を合わせた比率(積極的利用意向)は、女性全体で17%、男性全体で5%である。とくに30代女性(21%)と20代女性(19%)の利用意向が高い。
カルチャースクールの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向)は、20代男性(68%)、20代~40代女性(20代:68%、30代:65%、40代:64%)と、若い年代ほど高くなっている。
表2 今後の利用意向
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向マイナス利用率)は、20代男性と50代男性を除く他の全ての年代・性別で存在していると考えられる(図5)。20代男性では、利用率が高いため、積極的潜在需要がマイナスになっている。
積極的潜在需要に「否定的な利用意向を持たない層」も加えると、潜在需要の範囲は消極的潜在需要(消極的利用意向マイナス利用率)へと広がる。消極的潜在需要に関しては、20代男女と30~40代女性に大きな需要が存在していると考えられる。
彼ら・彼女らの関心をいかに喚起させ、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言える。
図5 潜在需要
※経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によれば、カルチャーセンターの売上高規模は、2008年で335億円、2012年で306億円と推移してきている。本レポートのアンケート調査は2008年に行われたものであるが、現在、傾向として利用率等も若干下がってきているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2008年10月28日~11月10日
- 調査対象:
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株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:984人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月