市場調査データ
ビジネスホテル
ビジネスホテルの現在の利用率は男性の方が高いが、利用意向は女性の方が高く、とくに若い女性を中心に潤沢な潜在需要が存在していると考えられる。以下では、ビジネスホテルについて、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で35%、男性41%、女性28%であり、男性の利用率の方が高い(表1、図1)。
年代別・性別でみて利用率がとくに高いのは、60代男性(45%)、50代男性(44%)、40代男性(43%)、そして20代男性(38%)などである。ビジネスホテルは仕事での出張時によく利用されるものであるため、男性の利用率が高くなっていると考えられる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、利用者全体で、「年に1回以下(58%)」が最も多く、次いで「半年に1回(22%)」「2~3カ月に1回(11%)」での利用が多い(図2)。
年代別・性別でみて利用頻度が比較的高いのは20代男性であり、20代男性利用者の21%が「月に1回」以上、5%が「週に1回」以上、ビジネスホテルを利用している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回(1泊)あたりの利用金額に関しては、利用者全体でみると、「5,000円~10,000円未満」での利用が70%と最も多く、次いで、「3,000円~5,000円未満(21%)」での利用が多い(図3)。
利用金額は、男性よりも女性の場合に高くなる傾向がみられる。1回(1泊)あたりに10,000円以上を使う利用者の割合は、男性利用者全体で2%であるのに対して、女性利用者全体では9%と計算される。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「どちらかといえば利用したい(まあ利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で44%、男性46%、女性43%であり、男性の利用意向の方が高い(表2、図4)。
一方、ビジネスホテルの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で80%、男性80%、女性79%であり、男女とも極めて高い水準にある。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、30代~50代女性などに比較的多く存在している(図5)。
ビジネスホテルの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男性よりも女性に多く存在し、また、男女ともに若い年代に多く存在していると考えられる。
女性の潜在需要が大きいことに関しては、「女性の利用意向が高い反面、女性のニーズに応えられるビジネスホテルが少ない」という背景があるとも考えられる。セキュリティ面やプライバシーの保護など、女性利用者に配慮した工夫がビジネスホテルには求められているといえる。
図5 潜在需要
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2017年3月14日~3月16日
- 調査対象:
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国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2017年3月