市場調査データ
とんかつ店
とんかつ店は近年、フランチャイズ店の増加などの影響もあり、外食メニューとして国内に広く定着してきている。以下では、とんかつ店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で48%、男性51%、女性46%となっている(表1、図1)。とんかつ店の利用率は、全ての年代・性別で40%以上と比較的高く、40代女性、50代・60代男性では50%を超えている。
しかし一方で、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合も高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、全体で、「年に1回以下(34%)」の利用者が最も多いが、「2~3カ月に1回(23%)」や「半年に1回(21%)」の利用者も多い(図2)。また、月に1回以上利用するユーザーも利用者全体の2割程度(23%)存在している。
比較的利用頻度が高いのは、20代・50代男性、そして60代男女であると言える。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で、1000~1200円未満の範囲であると考えられる(図3)。利用経験者全体のうち29%が1回に1000~1200円を使い、25%が1回に1200~1500円を使い、22%が1回に700~1000円を使っている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は高く、全ての年代・性別で50%を超えている(表2、図4)。とくに40代女性の積極的利用意向は高く70%に達している。次いで20代男性、30代女性、40代・50代男性の積極的利用意向が高く、いずれも65%以上となっている。
とんかつ店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は極めて高く、60代女性以外では、全ての年代・性別で80%を超えている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は大きく、全ての年代・性別でプラスとなっている(図5)。
とんかつ店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)も大きく、20代・30代男女、40代男性、50代女性で大きいと考えられる。
40代女性、50代・60代男性の高い利用率を維持しつつ、全体的にリピート率を向上させ、若い年代や50代女性などの関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。
図5 潜在需要
※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、日本の飲食店市場規模は、2009年に12兆6,079億円だったものが2012年には12兆4,686億円に縮小している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用状況は傾向として若干下がっているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2009年11月13日~11月27日
- 調査対象:
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株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1287人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月