市場調査データ
天ぷら料理店
天ぷらは日本人に馴染みの深い和食であり、年代・性別を問わず幅広い層に受け入れられやすいメニューであると言える。以下では、天ぷら料理店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で32%、男性35%、女性30%となっており、男性の方が女性よりも利用率が高い(表1、図1)。利用率が最も高いのは、60代男性(42%)であり、次いで、50代男性(41%)、40代女性(34%)、60代女性(33%)などの利用率が高い。
また、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べると多く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。
表1 現在の利用状況
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(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、全体で、「年に1回以下(45%)」の利用者が最も多い(図2)。ほか、「半年に1回(18%)」「2~3カ月に1回(17%)」の利用者が多い。
利用頻度が比較的高いのは、50代・60代男性であり、50代男性利用経験者の63%が半年に1回以上利用し、28%が月に1回以上利用している。また、60代男性の68%が半年に1回以上利用し、30%が月に1回以上利用している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で、1000~1200円未満の範囲と考えられる(図3)。利用経験者全体のうち、24%が1回に1000~1200円を使い、59%が1回に700~1500円を使っている。1回に2000円以上を使うユーザーも利用経験者全体の17%程度存在している。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
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2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、女性では40代、男性では50代をピークに高くなっている(表2、図4)。積極的利用意向が最も高いのは40代女性(68%)であり、次いで、50代男性(61%)、40代男性(59%)などの利用意向が高い。
天ぷら料理店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全ての年代・性別で高く、いずれも80%以上となっている。
表2 今後の利用意向
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(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
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積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は全ての年代・性別でプラスとなっており、とくに40代女性における潜在需要が大きい(図5)。また、全ての年代で女性の方が男性よりも積極的潜在需要が大きくなっている。
天ぷら料理店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20代・30代男女と50代女性で大きいと言える。
50代・60代男性の高い利用率を維持しつつ、全体的にリピート率を向上させ、若い年代や女性の関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。
図5 潜在需要
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※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、日本の飲食店市場規模は、2009年に12兆6,079億円だったものが2012年には12兆4,686億円となっている。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用状況は傾向として若干下がっているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2009年11月13日~11月27日
- 調査対象:
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株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1287人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月