市場調査データ

すき焼きしゃぶしゃぶ店

すき焼きしゃぶしゃぶは日本人に馴染みが深く、性別・年代を問わず、幅広い層に受け入れられやすい料理だといえる。また、フランチャイズ・チェーンの展開により、すき焼きしゃぶしゃぶは、より身近な料理となり外食機会も増えたといえる。以下では、すき焼きしゃぶしゃぶ店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で37%、男性39%、女性35%であり、若干男性の方が女性よりも利用率が高い(表1、図1)。

最も利用率が高いのは50代男性(44%)であり、次いで40代男性(43%)、60代男性(40%)の順になっている。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、利用経験者全体で、「年に1回以下(44%)」が最も多く、次いで「半年に1回(23%)」「2~3カ月に1回」(18%)」の利用が多い(図2)。

年代・性別にみると、20代男女などの利用頻度が比較的高いといえる。とくに、20代男性利用経験者の中には、「週に1回」以上利用するヘビーユーザーが10%程度存在している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回(1人)あたり利用金額に関しては、利用経験者全体で、3,000円未満の利用者(48%)と3,000円以上の利用者(52%)とで約半分に分かれる(図3)。この境である3,000円あたりの金額が1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)だといえる。

年代・性別では、30代以上の男女で比較的高いといえる。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で55%、男性55%、女性55%であり、男女ともに利用意向は比較的高いといえる(表2、図4)。

すき焼き・しゃぶしゃぶ料理店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、60代女性を除く全ての性別・年代で80%以上となっており、極めて高い水準だといえる。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、全ての年代・性別でプラスとなっている(図5)。とくに、20代・30代女性を中心に大きな潜在需要があるといえる。

すき焼き・しゃぶしゃぶ料理店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男女ともに30代をピークに幅広い年代層に分布している。

20代・30代(とくに女性)を中心とした幅広い層の関心をいかに喚起し、実際の来店に結びつけていくかが、今後の成功の鍵といえるだろう。また、図1で、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べると高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえるので、定期的なメニュー改変やキャンペーンの実施など、既存顧客のリピート率向上に努めることも重要だといえる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、日本の飲食店市場規模は、2010年から2012年にかけては12兆2,000億円~12兆5,000億円の間で安定的に推移している(乖離幅は2.5%未満)。本レポートのアンケート調査は2010年に行われたものであるが、現在の利用状況に大きな変化は無いものと考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2010年8月3日~8月23日、11月19日~24日

調査対象:

WizBiz株式会社 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1249人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月