市場調査データ

パスタ専門店

スパゲティをメニューの中心に置いたパスタ専門店は、他の西洋料理と比べ調理が簡単であることや、原材料費が安価で利益率が高いことなどから、新規参入も多い。以下では、パスタ専門店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で46%、男性37%、女性55%となっており、女性の方が男性よりも利用率が高い(表1、図1)。

利用率が最も高いのは、40代女性(60%)であり、次いで、30代女性(56%)、20代女性(55%)、50代(54%)の順に利用率が高くなっている。利用率が高いのは総じて女性であるが、男性でも20代(43%)は利用率が比較的高い。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、全体では、「年に1回以下(30%)」や「2~3カ月に1回(25%)」の利用者が多い(図2)。利用頻度が比較的高いのは20代男性と60代女性であると言える。20代男性利用経験者のうち32%が月に1回以上利用し、11%が週に1回以上利用している。また、60代女性利用経験者のうち38%が月に1回以上利用し、5%が週に1回以上利用している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で、1000~1200円未満の範囲と考えられる(図3)。利用経験者全体の30%が1回に1000~1200円を使い、27%が1回に700~1000円を使っている。

利用金額が比較的高いのは、50代・60代女性であり、50代女性利用経験者のうち54%が1回に1200円以上を使い、9%が1回に2000円以上を使っている。また、60代女性利用経験者のうち48%が1回に1200円以上を使い、14%が1回に2000円以上を使っている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、40代女性(81%)で最も高い(表2、図4)。次いで20代・30代女性(73%)、50代女性(65%)の利用意向が高い。

パスタ専門店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、20代~50代男女で高く、いずれも80%を超えている。とくに30代・40代女性の消極的利用意向は97%と極めて高い。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は60代女性を除く全ての年代・性別でプラスとなっている(図5)。とくに40代男女における積極的潜在需要は大きいと言える。

パスタ専門店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代で男性の方が女性よりも大きい。とくに30代・40代男性の消極的潜在需要は大きいと考えられる。

現在の女性の高い利用率を維持しつつ、30代・40代を中心とした幅広い層のさらなる関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、日本の飲食店市場規模は、2009年に12兆6,079億円だったものが2012年には12兆4,686億円にまで縮小している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用率等は傾向として若干下がっているとも考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2009年11月13日~11月27日

調査対象:

株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1287人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月