市場調査データ

インターネットカフェ

インターネットカフェの現在の利用率は男性の方が高いが、今後の利用意向は女性の方が高く、とくに20代~40代女性において潤沢な潜在需要が存在していると考えられる。以下では、インターネットカフェについて、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で13%、男性18%、女性9%であり、男性の利用率の方が高い(表1、図1)。

年代別・性別でみて利用率がとくに高いのは、20代男性(30%)、40代男性(26%)、30代男性(21%)、そして20代女性(15%)などである。利用率は、おおむね男性、そして若い年代で高いという傾向がみられる。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、利用者全体で、「年に1回以下(65%)」が最も多く、次いで「2~3カ月に1回(11%)」、「半年に1回(9%)」での利用が多い(図2)。

年代別・性別でみて利用頻度が高いのは20代男性であり、20代男性利用者の30%が「月に1回」以上、12%が「週に1回」以上、インターネットカフェを利用している。また、「ほぼ毎日」利用しているユーザーも、60代女性を除く各年代・性別に、わずかではあるが存在している。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたりの利用金額に関しては、利用者全体でみると、「1,000円~3,000円未満」での利用が46%と最も多く、次いで、「500円~1,000円未満(37%)」での利用が多い(図3)。

全体のバーの「1,000円~3,000円未満」の上のラインが50%の水準(中央値)の上近くに位置していることから、およそ1,000円を若干上回るあたりが1回あたりの利用金額の相場であろうと推定される。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

今後「ぜひ利用したい」と「どちらかといえば利用したい(まあ利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で23%、男性25%、女性21%であり、男性の利用意向の方が高い(表2、図4)。

一方、インターネットカフェの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で54%、男性56%、女性51%であり、こちらも男性の利用意向の方が高い。

また、男女ともに、若い年代であるほど、利用意向が高いという傾向もみられる。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、20代~40代の男女などに比較的多く存在している(図5)。

インターネットカフェの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)も、男女ともに20代~40代を中心に潤沢に存在していると考えられる。

とくに、20代~40代女性の潜在需要の高さに関しては、「女性の利用意向が高い反面、女性のニーズに応えられるインターネットカフェが少ない」ということも背景にあると考えられる。セキュリティ面やプライバシーの保護など、女性利用者に配慮する取り組みが、インターネットカフェ業界には求められているといえる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2017年3月14日~3月16日

調査対象:

国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2017年3月