市場調査データ
うなぎ料理店
うなぎ料理店は、比較的高い年代の人たちに人気があるが、20~40代の人たちにおいても大きな潜在需要が存在しているといえる。以下では、うなぎ料理店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で21%、男性24%、女性19%であり、男性の利用率の方がやや高い(表1、図1)。
年代・性別に見ると、利用率が最も高いのは50代男性(32%)であり、次いで、60代男性(31%)、50代女性(27%)、60代女性(25%)などの順になっている。
また、全体的に、利用率に比べ「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、全体的に、「年に1回以下」での利用が多い(図2)。利用経験者全体のうち、61%が「年に1回以下」で利用している。
比較的利用頻度が高いのは、50代以上の男女であるといえる。利用経験者全体のうち、「半年に1回」以上利用するユーザーは60代女性で56%、50代女性で55%、50~60代男性で49%となっている。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額に関しては、バラツキがあるが、全体で「1,000~3,000円未満」がボリュームゾーンだと考えられる(図3)。利用経験者全体のうち、78%のユーザーが「1,000~3,000円未満」の範囲内で利用している。
また、「2,000~2,500円未満」の区分がグラフの50%の水準に位置していることから、「2,000~2,500円未満」が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であると推察される。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で36%、男性39%、女性32%であり、やや男性の利用意向の方が高い(表2、図4)。とくに60代男性の積極的利用意向(47%)が高いといえる。
うなぎ料理店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、20~30代女性と60代女性を除く全ての年代・性別で60%を超えている。消極的利用意向は、とくに30~40代・60代の男性で高いといえる。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、40代男性や30代女性などを中心に幅広い年代・性別に分布している(図5)。
うなぎ料理店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、30~40代男性を中心に幅広い層に存在していると考えられる。
今後は、50代以上男女の利用率を維持しながら、30~40代を中心に幅広い層の関心を喚起し、さらなる来店利用に結びつけていくことが、成功の鍵といえるだろう。
また、うなぎ料理店での事例は少ないが他の飲食店のような割引チケットやポイントカードの導入、季節に合わせたメニュー改変やキャンペーンの実施など、既存顧客のリピート率向上に努めることも重要だといえる。
図5 潜在需要
※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、日本の飲食店市場規模は、2010年から2012年にかけては12兆2,000億円~12兆5,000億円の間で安定的に推移している(乖離幅は2.5%未満)。本レポートのアンケート調査は2011年に行われたものであるが、現在の利用状況に大きな変化は無いものと考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2011年7月9日~7月18日
- 調査対象:
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国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月