市場調査データ
中古CD・DVD・レコード販売店
中古CD・DVD・レコード販売店は、現在、若い年代の男女で利用率が高いが、潜在需要は、より高い年代層に至るまで性別を問わず幅広く存在していると考えられる。以下では、中古CD・DVD・レコード販売店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で26%、男性26%、女性26%となっている(表1、図1)。
年代・性別に見ると、利用率が最も高いのは20代女性(47%)であり、次いで、20代男性(41%)、30代女性(35%)などの順に利用率が高く、若い年代ほど利用率が高い。また、20代・30代では女性の方が男性よりも利用率が高く、40代以上では男性の方が女性よりも利用率が高い。
表1 現在の利用状況
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(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
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利用頻度に関しては、利用経験者全体で、「3年に1回未満(24%)」が最も多く、次いで、「2~3カ月に1回(19%)」「半年に1回(15%)」などの利用者が多い(図2)。
年代・性別にみると、20代男女、そして40代女性などの利用頻度が比較的高い。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
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1回あたり利用金額は、利用経験者全体で、1,200円未満の利用者(53%)と1,200円以上の利用者(47%)とでほぼ半分に分かれる(図3)。この境である1,200円を少し下回るくらいの金額が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)だと考えられる。
年代・性別では、若い年代であるほど男性の方が女性よりも1回あたり利用金額が多い、という傾向が見られる。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
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2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で30%、男性28%、女性31%であり、やや女性の利用意向の方が高い(表2、図4)。また、若い年代ほど利用意向は高いといえる。
中古CD・DVD・レコード販売店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で58%、男性で57%、女性で60%となっている。消極的利用意向も、やや女性の方が高く、また、若い年代ほど利用意向が高い。
表2 今後の利用意向
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(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、20代男女と50代を中心とした女性などに比較的多く存在していると考えられる(図5)。
中古CD・DVD・レコード販売店の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、男女とも全ての年代に幅広く存在しているといえる。
20代男女や50代女性などを中心とした幅広い層の関心をいかに喚起し、実際の来店に結びつけていくかが、今後の成功の鍵といえるだろう。また、図1で、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べると高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえるので、売れ筋商品の研究による品揃えの強化や最新入庫商品の情報提供など、既存顧客のリピート率向上に努めることも重要だといえる。
図5 潜在需要
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※改正著作権法が2010年1月1日に施行され、音声及び映像データを違法コンテンツと知りながらダウンロードする行為は違法となった。さらに、2012年10月1日からは、違法ダウンロードに対し刑事罰が導入された。この法改正の動きは、中古CD・DVD・レコード販売店にとって追い風であると言えるだろう。消費者も、正しく店舗を利用することになり、利用者の回帰が期待される。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2010年8月3日~8月23日、11月19日~24日
- 調査対象:
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WizBiz株式会社 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1249人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月