市場調査データ
農産物直売所
「道の駅」の登場で注目されることが多くなった農産物直売所は、女性を中心とした高い利用率と潤沢な潜在需要を保っている。以下では、農産物直売所について、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で37%、男性29%、女性45%であり、女性の利用率の方が高い(表1、図1)。
年代別・性別では、女性、そして高い年代であるほど利用率は高く、とくに60代女性の利用率は63%に達している。次いで、50代女性(52%)、60代男性(49%)、40代女性(43%)などの順に利用率は高くなっている。
また、若い年代であるほど「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が利用率に比べて大きいという特徴が見られるため、若い消費者であるほどリピート率は低いとも考えられる。
表1 現在の利用状況
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(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況

利用頻度は、女性、そしておおむね高い年代で高いと言える(図2)。とくに60代女性では、「月に1回以上」利用するユーザーが46%、「月に2~3回以上」利用するユーザーが29%存在している。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
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1回あたりの利用金額は、「700~2,000円未満」がボリューム・ゾーンであると考えられる(図3)。利用経験者全体で見た場合、「700~2,000円未満」での利用者は65%を占め、「1,000~1,500円未満」での利用者は24%を占めている。
年代別・性別に見ると、50代前後の男性の利用金額が比較的高いと言える。50代男性利用経験者の68%が1回に1,000円以上を使い、40%が1回に1,500円以上を使っている。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で53%、男性39%、女性68%であり、女性の利用意向が高い(表2、図4)。
一方、農産物直売所の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で81%、男性74%、女性88%であり、男女ともに利用意向は高いと言える。
また、積極的利用意向、消極的利用意向ともに、おおむね高い年代であるほど利用意向は高いという傾向が見られる。
表2 今後の利用意向
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(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
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積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっており、とくに若い年代の女性を中心に大きな潜在需要が存在していると考えられる(図5)。
農産物直売所の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)も、全ての年代・性別でプラスとなっており、また、若い年代を中心に大きな潜在需要が存在している。
既に利用率の高い50代~60代女性のユーザーを確保しつつ、20代~40代女性を中心とした層の新たな需要を喚起することが、今後の販売促進においては有効であると考えられる。
図5 潜在需要
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(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2013年5月13日~5月19日
- 調査対象:
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全国の20代~60代男女(有効回答数:1,136人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年5月