調査

2割超が価格転嫁できず:中企庁が調査

2022年 6月 23日

中小企業庁がまとめた「価格交渉促進月間のフォローアップ調査」結果によると、直近6カ月間のコスト上昇分のうち何割を価格転嫁できたを聞いたところ、「3割~1割程度」と回答した企業が22.9%と最も多く、次いで「0割」と全く価格転嫁できていないと回答した企業が22.6%に上った。直近6カ月間の発注側企業との価格交渉協議についても、「協議自体ができていない」とする回答が1割に上っている。

コスト要素別にみると、原材料費は約6割が「価格転嫁できた」と回答したのに対し、「価格転嫁できていない」は22.9%。これに対し、労務費とエネルギーコストの「価格転嫁できていない」回答はそれぞれ33.8%、33.1%となり、原材料費に比べて価格転嫁が厳しい状況が浮き彫りになった。

業種別にみると、価格交渉の協議自体が相対的にできている業種は、繊維、鉱業・採石・砂利採取、機械製造、化学、建材・住宅設備、電機・情報通信機器など。逆にできていない業種は、金融・保険、トラック運送、廃棄物処理、放送コンテンツ、広告などだった。一方、コスト上昇分を相対的に価格転嫁できている業種は、化学、機械製造、金属、食品製造、電機・情報通信機器など。逆に価格転嫁できていない業種は、トラック運送、通信、廃棄物処理、放送コンテンツ、金融・保険などが挙がった。

中企庁はエネルギー価格や原材料費などが上昇する中、中小企業が適切に価格転嫁をしやすい環境を作るため、昨年9月に引き続き、3月も「価格交渉促進月間」として設定し、業界への働きかけや広報を実施。この成果を確認するため、中小企業15万社を対象に5月11日~6月17日に調査した。その結果、1万3078社から有効回答(回答から抽出される発注側企業数は延べ2万5575社)を得た。

詳しくは経済産業省のホームページへ。