調査

下請代金のコスト増反映は悪化:経産省まとめ

2022年 4月 8日

下請代金の支払条件について「現金払い化」「手形のサイト短縮」は若干改善した一方で、労務費・原材料価格・エネルギー価格の「取引対価への反映状況」は悪化していることが明らかになった。取引の適正化に向けて各業界団体が策定した「自主行動計画」に関する2021年度のフォローアップ調査結果によるもので、4月7日に経済産業省が発表した。

調査によると、価格決定方法の適正化について「概ね反映できた」と答えた受注側企業割合は「労務費」で28 %(前年調査比8ポイント減)、「原材料価格」で38 %(同9ポイント減)、「エネルギー価格」で26 %(同7ポイント減)と、前年調査に比べてすべての項目で悪化した。発注側と受注側の認識のズレは、それぞれ約40ポイントと依然として大きいことも分かった。

下請代金の支払条件については「すべて現金払い」と答えた企業が受注側28%(同1ポイント増)、発注側55%(同3ポイント増)と、若干の改善がみられ、ソフトウェアと流通・小売業は100%近い。手形支払サイトについても「60日以内」は受注側13%(同2ポイント増)、発注側19%(同4ポイント増)と上昇。ただ機械製造は「120日以内」の割合が多く、支払条件のさらなる改善が課題だとしている。

型管理の適正化については、発注側は66%、受注側は53%が「改善された」と回答。働き方改革の影響として「短納期発注や急な仕様変更の場合のコストを発注側が適正に負担したか」の質問に対しては、発注側30%・受注側15%が「概ねできた」と回答し、前年調査と横ばいの結果になった。

取引適正化に向け、各業界自らが取り組む行動をまとめた「自主行動計画」は現在19業種52団体で策定済み。このうち経産省所管の12業種46団体が2021年10~11月にフォローアップ調査を実施し、今回その調査結果を取りまとめた。

調査対象は自動車・自動車部品、素形材、機械製造(産業機械・工作機械・建設機械・半導体製造装置、ロボット、計量機器、分析機器)、航空宇宙、繊維、電機・情報通信機器、情報サービス・ソフトウェア、流通・小売業、建材・住宅設備、紙・紙加工、化学、金属の12業種。

詳しくは経産省のホームページへ。