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中小企業優秀新技術・新製品賞 中小企業庁長官賞Thinkerが受賞:りそな中小企業振興財団

2025年 4月 28日

第37回 中小企業優秀新技術・新製品賞贈賞式 全体写真の画像
受賞した38社

りそな中小企業振興財団と日刊工業新聞社は、東京都千代田区の経団連会館で「第37回中小企業優秀新技術・新製品賞」(経済産業省中小企業庁、中小機構後援)の贈賞式を開いた。一般部門の最優秀賞である中小企業庁長官賞は株式会社Thinker(大阪市中央区)が開発した次世代型ロボットハンド「Think Hand F」が受賞した。ソフトウエア部門の最優秀賞の中小企業基盤整備機構理事長賞は、アナウト株式会社(東京都千代田区)の外科手術視覚支援プログラム「EUREKA α」が栄誉に輝いた。

応募件数は全体で270件。その中から中小企業庁長官賞、中小機構理事長賞をはじめ、一般部門は優秀賞に株式会社ALISysの地雷検知センサー、イービーエム株式会社の腹腔鏡下大腸外科手術訓練シミュレーターなど10件、優良賞10件、奨励賞10件を、ソフトウエア部門は優秀賞に株式会社アクト・ノードの農・畜・水産業向け生産管理クラウド、株式会社テクノブレインの電子帳簿保存アプリケーションの2件、優良賞2件、奨励賞2件の合計38件を表彰した。

審査委員長の新井民夫東京大学名誉教授は「中小企業が自ら開発した製品を優秀性、独創性、市場性の3つの観点から審査した。変遷する時代の多様な分野で高い技術を駆使して開発された製品は審査員にも新たな視点を与えてくれた。選考は困難を極めた。受賞されたみなさんはより一層高みを目指して開発を進めてほしい」と審査講評を語った。

来賓としてあいさつした宮川正中小機構理事長は「人手不足や震災などの課題に加え、米トランプ大統領が導入した追加関税など、中小企業は厳しい事業環境に直面している。しかし、受賞したみなさんのような社会課題を乗り越える創意工夫で技術開発に取り組む姿勢は、日本の持続的な発展を支えている」と激励した。

受賞者を代表して藤本弘道氏Thinker代表取締役CEOが「開発した製品はこれまで自動化が難しかったばら積みピッキングに対応できる。当社は『ロボットハンドの民主化』をビジョンに掲げ、製造現場のみなさんがより創造的な仕事ができる環境を提供することを目指している。この賞に恥じぬよう技術革新を進め、多くの企業に価値を届けたい」と意気込みを語った。また、小林直アナウト代表取締役は「開発したソフトウエアはAIによるリアルタイム解析で外科手術を支援するもの。私自身外科医として手術をしてきたが、外科医は誰しももっといい手術をしたいという思いを持っている。世界の患者さんに届けられるように成長していきたい」と抱負を語った。

藤本代表取締役兼CEOが受賞する画像
中小企業庁長官賞を受賞したThinkerの藤本代表取締役兼CEO
アナウトの小林代表取締役が抱負を語る画像
「世界の患者に届けたい」と抱負を語るアナウトの小林代表取締役

詳細はりそな中小企業振興財団のホームページまで。