省エネQ&A

資源エネルギー庁主催の改正省エネ法説明会に参加しました。

回答

「改正省エネ法説明会」に参加しました。具体的な改正点とポイント、電気需要平準化時間帯の設定、事業者が取り組むべき措置に関する指針、電気需要平準化評価原単位、定期報告における改正点について、説明がなされました。

現在、主要都市で開催中の「改正省エネ法説明会」に参加しました。説明会では改正省エネ法に加え、省エネ関連の補助金についても説明がなされました(注記)。

注記:改正省エネ法に関わる説明資料と関連資料は、資源エネルギー庁のホームページの「省エネ法の概要と必要な手続」に掲載されています。是非、資料をダウンロードの上、下記説明と突き合わせ、ご確認願います。

改正省エネ法に関わる説明の要旨は下記のとおりです。

1. 具体的な改正点とポイント

  • 従来の法律名は「エネルギーの使用の合理化に関する法律」であり、「燃料資源の有効な利用」を目的としていました。東日本大震災を契機として電気需要の平準化の重要性が認識されたことから法律名を「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」と「等」を加え、「電気の需要の平準化に関する所要の措置」を目的に加えました。
  • また、エネルギー消費量が特に大きく増加している業務・家庭部門において住宅・建築物や設備機器の省エネ性能の向上といった対策を強化する必要があり、トップランナー制度の建築材料等への拡大等に関する措置を追加しました(具体的には、断熱材を指定)。
  • その他の改正事項として、1.エネルギーマネジメントシステムの国際規格であるISO50001の活用の検討等について「工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準」に規定、2.オンライン申請手続きの簡素化、3.エネルギー消費機器等のトップランナー制度の対象として「三相誘導電動機」と「電球形LEDランプ」を指定しました。
  • 「電気の需要の平準化」とは、「国全体」の夏期・冬期の昼間の電気需要を低減することです。このため、例えば、昼間よりも夜間の電気使用量が多い個々の主体に対し夜間から昼間への電気の使用のシフトを求めるものではありません。

2. 電気需要平準化時間帯の設定

  • 電気需要平準化時間帯として、全国一律で、7~9月(夏期)及び12~3月(冬期)の8~22時に設定されました(土日祝日を含む)。

3. 事業者が取り組むべき措置に関する指針

  • 「電気の需要の平準化に資する措置」として、コージェネレーション導入事例が紹介されました。
  • 荷主はどの時間帯に荷が輸送されるかを管理できる立場にないため、荷主には「電気需要平準化評価原単位」が適用されません。

4. 電気需要平準化評価原単位

  • 従来の「エネルギー消費原単位」に加え、「電気需要平準化評価原単位」が策定されました。
  • 事業者は工場等全体として又は工場等ごとにエネルギー消費原単位又は電気需要平準化評価原単位を中長期的にみて年平均1パーセント以上低減させることを求められます(どちらかの指標で年1%の改善)。そして、いずれかが目標未達の場合は理由を記述する必要があります。

5. 定期報告における改正点

  • 平成26年度提出(平成25年度実績)の報告分については従来の様式での報告となり、新様式は平成27年度提出(平成26年度実績)の報告分から適用を受けます。
  • 特定規模電気事業者(新電力)の普及を踏まえ、特定規模電気事業者(新電力)からの買電量も、昼間・電気需要平準化時間帯・夜間の買電量に分けて報告する必要があります。
  • 電力会社から提供される検針票を用いて報告を行う場合で、検針日が月末最終日でないために検針期間と電気需要平準化時間帯の期間にズレが生じてしまう場合は、
    (夏)7月15日以降の直近の検針日に測定された電気使用量を含む以降3ヶ月分、
    (冬)12月15日以降の直近の検針日に測定された電気使用量を含む以降4ヶ月分、
    以上の電気使用量を電気需要平準化時間帯の買電量として報告して下さい(下図参照)。
  • テナントビルのオーナー及びテナントについても、平成27年度提出の定期報告より電気需要平準化時間帯の電気使用量の報告を求めます。現在、テナント専用部の電気需要平準化時間帯の電気使用量を推計できる簡易なツールを開発中であり、平成26年4月に資源エネルギー庁のホームページに掲載予定とのことです。
検針票を用いて報告を行う場合の例 検針票を用いて報告を行う場合の例
回答者

技術士(衛生工学) 加治 均