調査

製造業の売上額DIがプラス転換:11月末の小規模企業景況

2022年 12月 27日

全国商工会連合会がまとめた11月末時点の「小規模企業景気動向調査」によると、産業全体の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス30.8で、前月に比べて0.7ポイント悪化した。前月に続き人流の回復傾向を受け、売上額DIは改善したものの、コスト高から採算DI・資金繰りDIとも低水準で推移。価格転嫁も依然として進んでいないという。

業種別の業況DIは、製造業がマイナス35.1で、前月比0.1ポイント悪化した。ただ売上額DIは前月のマイナス1.1からプラス1.4と、直近1年間で初めてプラスに転じた。サービス業の業況DIはマイナス13.4で、同0.3ポイント改善。旅館関係は業況DIが小幅に改善し、全国旅行支援の実施などがサービス業全体をけん引している。

小売業はマイナス44.2で、同5.5ポイント悪化した。円安による物価高が消費の停滞に影響し始めており、衣料品や耐久消費財関連は全DIが悪化した。建設業はマイナス30.8で、同2.4ポイント改善した。公共・民間ともに安定した受注があり、資材の納品サイクルが改善され着工が進む一方、資材や燃料の仕入価格上昇に価格転嫁が追い付かず、利益の出ない状況に陥っている。

調査は全国約300商工会の経営指導員が対象。11月末時点の景況感を調査票に選択記入した。

詳しくは全国連のホームページへ。

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