株主総会の手続きについては、多数の株主が存在する公開会社と、少数の株主で構成されている非公開会社(株式の全部が譲渡制限株式である会社)がまったく同じである必要性はありません。つまり、所有と経営が分離している公開会社と、おおむね所有と経営が一体となっている中小企業では、株主総会のもつ意味合いは変わってきます。さらに、会社法では、有限会社は株式会社に取り込まれました。
そのため、一人会社などの株主数が少ない会社においては、効率的な株主総会が開催できるように、法整備がなされています。
それでは、非公開会社における原則的な決議方法と簡略化した手続き方法を比較してみます。
【株主総会招集手続き】
(1)原則的な決議方法
原則として、会日の1週間前までに通知を発送します。ただし、取締役会を設置していない会社については、無制限に短縮が可能となります。
(2)簡略化した手続き方法
株主の全員の同意があるときには、招集の手続きの省略が可能となります。ただし、書面投票または電子投票ができることとしたときは、省略できません。
また、これらの簡略手続きは、定時総会に限らず、臨時総会でも採用することが可能となっています。
なお、このような簡略手続きを採用するための要件(定款規定が要求されるなど)は、特にありません。
【決議用件】
(1)原則的な決議方法
原則的な決議方法では、普通決議、特別決議、特殊決議の要件に従います。
(2)簡略化した手続き方法
簡略化した手続き方法は、議決権を有する株主の全員が書面または電磁的記録(E−MAILなどの記録)により同意の意思表示をしたときは、提案を可決する決議があったものとみなされます。
【議事録など】
(1)原則的な決議方法
議事録の作成は、法務省令に基づき作成します。また、作成された議事録は会日から10年間は本店に、原則として5年間は支店に備えおく必要があります。
(2)簡略化した手続き方法
議事録そのものは作成されませんが、「同意の意思表示」を記載した書面または電磁的記録を保管しておきます。そして、決議があったものとみなされた日から10年間、本店に備えおく必要があります。
<書面報告システム>
取締役が株主総会に報告すべき事項を、株主の全員に対して通知した場合において、当該事項を株主総会に報告しないときについて、株主の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、株主総会への報告があったものとみなされます。
貴社のご相談のように、株主が一人の場合にあっては、上記のとおり、株主総会の招集手続きを省略することが可能となります。