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新会社法施行前に設立している会社ですが、取締役を1人にしようかと思っております。1人にした場合、経営上どのような影響があるのでしょうか。また、取締役1人の株式会社にする手続を行う場合、どのようなことが必要になるのでしょうか。
簡素な機関設計では、その早い意思決定と低コストがメリットですが、会社の実情に合わない場合には、デメリットもあります。また、対外的な信用や社内の人的組織にも影響を及ぼす場合がありますので、十分留意する必要があります。
会社法施行前の株式会社では、取締役3人以上、監査役1人以上が必要でした。 会社法では、それまでの株式会社と有限会社を「株式会社」に統合し、会社経営の機動性・柔軟性を向上させるため、原則として自由な機関設計を認めました。その結果、株式譲渡制限会社である非公開会社では、取締役1人のみで監査役も不要といった最低限の機関設計も選択できるようになりました。
ただし、取締役を1人にしてしまうことは、とても簡素な機関設計ですが、経営上のさまざまな影響があることにも留意しなければなりません。
株式会社の機関設計については、会社の実情や会社の将来を考慮して、決定することが必要です。取締役1人の株式会社は、株式がその取締役の同族で固められており、経営に口を挟む外部の株主がいない非公開会社であり、会社が将来的にも取締役会の設置や公開会社になることを想定していない会社にはよろしいでしょう。
取締役会設置会社から取締役1人の株式会社に変更するには、次の手続きが必要です。
非公開会社(株式の全部につき譲渡制限のない会社)でない場合は、定款において、株式譲渡制限の規定を設ける必要があります。また、現に譲渡制限会社でも、株式を譲渡により取得する場合「取締役会の承認」を必要としている場合には、取締役会がなくなることから「株主総会の承認」への変更が必要です。
どの株式会社も、定款の「取締役会、監査役会設置会社である旨」を削除します。すなわち、取締役会、監査役会設置の廃止をすることです。この規定の削除には、株主総会において定款変更決議が必要になります。
取締役は1人であることなどの定款の役員の員数に関する規定を変更します。
取締役の辞任・解任の登記をします。解任については、株主総会(臨時総会でもかまいません。)の普通決議が必要です。
社会保険労務士・行政書士 吉岡 早苗
日本公証人連合会