1.非化石エネルギーも省エネ法の対象となる
(1) 省エネ法の対象者と義務の内容
省エネ法では、従来から、図1のように、エネルギーを使用する事業者すべての努力義務を定めています。特に、エネルギー使用量が多い特定事業者等は、中長期計画およびエネルギー使用状況等の定期報告が義務づけられています。この特定事業者には中小企業の事業者が多く含まれています。
図1 省エネ法におけるエネルギー使用者への直接規制 1)より抜粋
(2) これまでの省エネ法におけるエネルギーの定義
これまで省エネ法では、原油、ガソリン、重油、その他石油製品、天然ガス、石炭などの化石燃料およびそれら化石燃料から得られた熱と電気を「エネルギー」とする、と定義されていました。そしてこれらのエネルギーの消費原単位を下げること等が目標とされてきました。
一方、水素、バイオマス燃料などの非化石燃料や、太陽光、風力など自然エネルギー起源の電気などの「非化石エネルギー」は「エネルギー」から除外されていました。
(3) カーボンニュートラルに向け、非化石エネルギーも「エネルギー」と定義
従来の省エネ法のもとで一部の特定事業者は、非化石エネルギーを使用することにより、結果として化石エネルギーの使用量が減り、エネルギー消費原単位を下げることができました。また、非化石エネルギーの使用量についての報告は不要でした。しかし、今後は、非化石エネルギーへの転換を促す積極的な評価が必要となってきます。
カーボンニュートラル実現に向けて、各種事業所などエネルギーの需要サイドで非化石エネルギーへの転換に取り組むことが必要になります。一方、供給サイドでは、中長期的には水素やアンモニア等を資源豊富な海外から調達することが必要です。これには、さまざまな制約が伴います。そのため、非化石エネルギーを需要サイドで効率的に利用することが不可欠となります。すなわち、化石エネルギーのみならず、非化石エネルギーの使用も合理化する(省エネ)ことで、エネルギーの安定供給の維持につなげていくことが必要となります。
以上の背景から、省エネ法における「エネルギー」の定義が、「化石燃料及び非化石燃料並びに熱及び電気をいう」と改正されました。このうち、化石燃料及び非化石燃料の例を図2に示します。
図2 化石燃料と非化石燃料の例 2)
ここで、新たに加わった「非化石エネルギー」は図3のようになります。図3において、①は図2に示したもので、②は①非化石燃料を熱源として得られる熱および太陽熱、地熱など、③は①非化石燃料を熱源とした発電による電気および太陽光発電、風力発電などによる電気などをいいます。
図3 非化石エネルギーの種類 2)を参考に筆者作成