【イノベーション】
「イノベーション」とは、「画期的な新技術」ということだけでなく、もっと幅広く、「顧客に付加価値をもたらす新たな取り組み」と考えてみるのが良いでしょう。これについては、経済学者であるシュンペーターの「新結合」、経営学者であるドラッカーの「イノベーションのための7つの機会」が有名です。
【新結合】
シュンペーターは「新結合の結果、イノベーションが生まれる」という考え方を持っていました。そして、「新結合」の結果として生まれるものとして、次の5つをあげています。
- 新しい財貨
- 新しい生産方法
- 新しい販路
- 新しい供給源
- 新しい組織
これらは中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画の承認制度における「新事業活動」の参考になっています。参考までに、経営革新制度における「新事業活動」を示しますと、次のとおりです。
- 新商品の開発・生産
- 新サービスの開発・提供
- 商品の新しい生産方法・新しい販売方法の導入
- サービスの新しい提供方法の導入
表図1 経営革新新計画の承認制度における新事業活動
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既存の商品・サービス |
新規の商品・サービス |
| 既存の生産・販売方法 |
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新事業活動 |
| 新規の生産・販売方法 |
新事業活動 |
新事業活動 |
【イノベーションのための7つの機会】
ドラッカーは「イノベーションのための7つの機会」を次のように提唱しました。なお、7つの機会は、信頼性と確実性の高い順番に並んでいます。
- 予期せぬこと
- 価値観の変化
- ニーズの存在
- 産業構造の変化
- 人口構造の変化
- 認識の変化
- 新しい知識
【予期せぬこと】
予期していなかった失敗や成功があった際に、どうしてそのようなことが起こったのかをじっくり考えることが大事です。たまたま起こったのではなく、市場のニーズに合わなくなってきた結果や、逆に市場のニーズをとらえた結果かもしれないからです。
【価値観の変化】
消費者の価値観に対する企業の勝手な思い込みという感じで、両者の間に価値観のギャップがないかを考えてみましょう。
【ニーズの存在】
物事を進める過程に潜んでいるニーズを、顕在化させてみましょう。
【産業構造の変化】
産業や市場が変化すると、従来の仕事のやり方が通用しなくなります。
【人口構造の変化】
人は毎年1歳ずつ年をとっていくので、変化を予測しやすいことが特徴です。
【認識の変化】
コップに水が半分入っている状況をみて、「まだ半分入っている」という見方と、「もう半分空である」という見方があるように、同じ事実でも複数の認識があります。顧客の認識が変化した際に、どのように対応するかを検討します。
【新しい知識】
発明や発見による新しい知識を活用することです。
これらの「7つの機会」は、自社が新しいことに取り組もうとする際に、もっとも身近なところにヒントがあることを教えてくれます。日常業務における、なにげない失敗や成功を安易に見逃すことなく、その原因を追及していくことが、経営革新成功の秘訣であるといえます。