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経営戦略に知財活用を、IPL紹介動画配信中:特許庁

2021年 10月 27日

特許庁が知的財産を企業の経営戦略に役立てる手法「IPランドスケープintellectual property landscape、IPL)」の紹介動画配信を始めている。企業経営者にIPLの有効性を理解してもらうのがねらいで、専門家がセミナー形式で基礎知識を解説する。視聴は無料。

工業所有権情報・研修館のホームページで公開中の動画は企業の活用事例、関係者の対談、識者の講演の3部構成。市場分析にIPLを活用したブリヂストンは、MaaS(乗り物のサービス化)特許出願の全体像を調査し、米国では配送や運転者支援への出願が多いが、日本や欧州では充電施設や駐車場などインフラ関連技術に注力していることを把握できた。昭和電工はIPLをM&Aの分析に利用し、テスノロジー(東京都港区)は特定分野の発明者の引き抜きに活用しているという。

IPLは実現したい目標から現在のやるべきことを逆算する手法で、企業が目指す目標や事業に対し、市場やビジネスの公開情報や社内情報から仮説を立て、知財情報の分析から現状を俯瞰し将来予測を立て、経営者の意思決定などに生かす試み。企業が新規事業やM&A(合併・買収)に取り組む際にIPLを使うと、競合企業や未経験分野の事前調査に役立つとされる。

動画視聴など詳しくは特許庁のホームページから。