新卒者の採用状況が売り手市場の場合、中小企業にとって人材を確保するのは困難な状況です。また、なんとか採用できても、入社後1年から3年以内に辞めてしまうケースが多く見受けられます。これは、新人が入社前に描いていた仕事の内容、社内の雰囲気などが入社後実際に体験したものと大きく異なっており、このギャップに対応できずに辞めてしまうケースがほとんどです。これがいわゆる雇用のミスマッチと言われる現象です。
ミスマッチを少なくしていくためには、企業としてさまざまな対策をとる必要があります。ここでは、入社前、入社後に分けて対策を説明します。
【入社前の対策】
学生や入社説明会参加者などを対象に、インターンシップで働いてもらい、実際の仕事内容や職場の雰囲気などを肌で感じてもらいます。こうすることで学生側は、その企業の実態が理解できるとともに、企業側も学生の適性を判断することができます。厚生労働省では、教育訓練機関による座学の訓練と企業における実習を組み合わせた働きながら学び、学びながら働く、「日本版デュアルシステム」という施策を実施しており、若者の就労を支援しています。
お問い合わせは、ハローワーク、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構各都道府県センターのほか、職業能力開発促進センター、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学などです。
メーカーの場合は、いまその企業で働いている若手社員の出身校にリクルート訪問し、インターンシップの斡旋を相談してみるのもよいでしょう。
【入社後の対策】
入社後は、どこの企業もOJT教育などを行いますが、一定期間がたち、配属された後は各職場の上司、先輩に任せっきりというケースが多く見られるようです。入社後も定期的に社長自らが積極的に新入社員と交流をもち、社長の考え方や新入社員への期待などを話すとともに、彼らの意見を聞いてあげるようにすることが大切です。
また、社内の仕事とは別に、相談事を聞いてあげる役目の先輩社員を決めておくのも効果的です。これをメンター制度といい、欧米では古くから企業内で取り入れられています。新入社員は、メンターの先輩からのアドバイスを受けることで、身近に支援者がいる安心感をもち、業務に集中できるようになります。さらに、彼らは、その経験を活かして自分たちが先輩になったときに、後輩の新入社員に適切なアドバイスができるようになります。
このように、企業側が新入社員の気持ちになって支援していくことが重要だと思います。