支援

令和2年度事業承継フォーラム、約700人がオンライン視聴:中小機構

2021年 2月 19日

基調講演した桜井博志旭酒造会長のオンライン画面
基調講演した桜井博志旭酒造会長のオンライン画面

中小機構は商工組合中央金庫と共催で2月19日午前10時から12時30分まで「令和2年度 事業承継フォーラム」を開催した。中小企業・小規模事業者の円滑な事業承継を促進するため毎年実施しているイベントだが、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため完全オンライン開催となった。全国の中小企業や支援団体の関係者約1,000人から参加申し込みがあり、Zoomによるライブ配信を約700人が視聴した。

講演後、司会者を通じ視聴者の質問に答える桜井氏(右)
講演後、司会者を通じ視聴者の質問に答える桜井氏(右)

フォーラムでは純米大吟醸「獺祭」で知られる旭酒造(山口県岩国市)の桜井博志会長が「持続的な成長のための事業承継とは」というタイトルで基調講演した。桜井氏は、実父の死後に事業承継し、杜氏ではなく社員の手で純米大吟醸酒を製造することになった経緯や、品質データを管理し工場内の空調を整えることで四季醸造体制を確立した経験談を披露し、「日本酒に伝統の手法はない。固執していては生き残れない」と強調。「社長が見えない会社は弱い」とも述べ、後継を託した長男の一宏社長への期待感を示した。

続くパネルディスカッションでは「事業承継が描く企業の未来予想図」をテーマに親子間の事業承継と第三者承継の当事者が登壇し、事業承継成功への課題やヒントを披露した。西陣織帯製造で培った繊維の知見をもとに導電繊維によるウェアラブル生体データを提供するミツフジ(京都府精華町)は、三寺康廣顧問から三寺歩社長へ親子間承継を実現した経緯を紹介。三寺社長は「スタートアップ企業と違い事業承継には事業の土壌や信用がある。隠れた宝を探すことだ」と語った。一方、老舗和菓子店・恵比須堂の中道直社長が有限会社ワークハウス嶋田祐介社長へ事業を譲渡する第三者承継で誕生したえびす堂(福井市)では、中道社長が「買い手と売り手双方が納得した引き継ぎが大事」と振り返った。

中企庁の調査によると、中小企業は経営者の高齢化が進むなか約半数が後継者未定のまま。事業を後継者にどう引継ぎ、継続・拡大していくかは大きな課題だ。イベントに先立ち中小機構の豊永厚志理事長は「コロナ禍でも中小企業の事業承継は待ったなし。早めの取り組みが重要」と挨拶した。