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3カ月の中断乗り越え〝卒業〟:第40期経営後継者研修

2020年 8月 31日

終講式後に研修生21人で記念撮影
終講式後に研修生21人で記念撮影

中小機構は8月27、28の両日、東京都東大和市の中小企業大学校東京校で「第40期経営後継者研修」のゼミナール論文発表会と終講式を行った。新型コロナウイルス感染症による研修の中断を乗り越えて学んできた研修生が、自社の経営分析を踏まえた将来ビジョンや事業戦略についてプレゼンテーションした。

第40期の研修は全国から集まった後継候補者24人で昨年10月にスタート。だが新型コロナの影響により3月下旬から6月末までの約3カ月間、中断を余儀なくされ、研修生全員は一旦、地元に戻った。7月にカリキュラムを大幅に見直して研修を再開したものの、さまざまな事情から3人が参加を断念した。

敢えてプレゼン資料を使わず、自社商品「ぎやまん陶」を持って美濃焼の価値を語るカネコ小兵製陶所(岐阜県土岐市、和食器製造)の伊藤祐輝さん
敢えてプレゼン資料を使わず、自社商品「ぎやまん陶」を持って美濃焼の価値を語るカネコ小兵製陶所(岐阜県土岐市、和食器製造)の伊藤祐輝さん

研修生の一人である桜田電設(さいたま市西区、電気工事設計・施工)の谷口瑞生さんは発表後、「コロナで中断したことは、自社に戻って経営の現状を整理できた点でむしろありがたかった」と話した。建設会社で3年間の現場監督を経験した後、父が創業した同社に一昨年に入社したため、自社経験が浅い点に不安があったという。「同じ境遇の仲間と出会えたことで不安が解消された」と語り、自身では5年後の事業承継を考えているという。

フクイM&C(佐賀県唐津市、木材・建材販売、住宅建築・リフォーム)の福井貴浩さんも、住宅設備会社に3年間勤務し、昨年7月に入社したばかり。第二創業のテーマとしてミャンマーの住宅市場への参入を発表し、「コロナの収束状況によるが、5年後をめどに進出したい」と述べた。「最初はいやだと考えていた研修も様々な人と触れ合う中で楽しくなった」という。自身が31歳、社長の父が65歳になる4年後の承継を計画している。

研修生ひとり一人に修了証書を授与した
研修生ひとり一人に修了証書を授与した

研修生全員が発表した後は終講式を開催。ゼミ講師や派遣元企業の社長らが見守る中、中小企業大学校東京校の渡部和彦校長が修了証書を授与した。渡部校長は「長い歴史の中で初めて中断するなど、新型コロナに翻弄された研修になった」とあいさつ。「皆さんの発表を聞いていて、何かに挑戦していこう、変えていこうというやる気が触発された。研修で出会った同期とともに、激変する経営環境を乗り越え、成長してほしい」と激励した。

経営後継者研修は全国9カ所にある中小企業大学校のうち、東京校のみが実施している経営者育成プログラム。事業を引き継ぐ後継者に必要な知識や能力を実践的に授けるカリキュラムが特徴で、毎年10月から翌年7月(今期は8月まで延長)まで集中して学ぶ。これまでに800人以上が〝卒業〟し、全国各地で経営者や経営幹部として活躍している。

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