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ウイズコロナ時代の指針学ぶ:中小大学校が事業承継セミナー

2020年 8月 7日

自身の経験を語る中里氏
自身の経験を語る中里氏

中小機構が運営する中小企業大学校東京校は8月5日、東京都東大和市の同校で2020年度の「第1回事業承継セミナー」を開いた。同校の経営後継者研修で講師を務める坂本篤彦氏が「アフターコロナ・ウィズコロナ時代の経営戦略のポイント」をテーマに講演。また、2014年に経営後継者研修を受講した中里組(埼玉県川越市、建設・不動産開発)の中里寿光専務が「事業承継の現実について」と題して自らの経験を語った。

坂本氏はまず、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響に対し、シンプルに捉えて状況を打破することが必要と指摘した。有事下の経営のあり方や仕事の進め方は「変える」「新たに生み出す」などが重要であり、「今こそ新規事業や働き方改革に加え、自社の強みのさらなる伸長に取り組むべきだ」と話した。

「SWOT分析」を活用する上では、自社のマイナス面ではなくプラス面に着目することが重要だと強調。変革のために必要な視点として「あるべき姿の明確化」「課題・問題点の発見抽出」「進むべき方向性の確認」を挙げ、「経営トップによるブレのないビジョンと後継者づくりが必要」と述べた。

中里組の3代目となる中里氏は大学を卒業後、商社の営業担当者を経て25歳で入社。ただ会社や経営に対する知識がなく、26歳の時に経営後継者研修を受講した。自社の沿革を理解・分析するため、父である社長にヒアリングしたことが印象深いとし、「創業期の苦労を知ったことが大きな糧となった」と語った。

10カ月間にわたり自社について客観的・多角的に学んできたため、それまでの「社員」の立場の思考方法から脱却できたと強調。さらに「社長と共通認識を持って事業承継に取り組めるようになった」と、変化を実感できる10カ月間だったと振り返った。研修修了後は、約10年間ストップしていた新卒採用を再開したほか、自社や建設業の魅力を適切に知ってもらうため、広報活動を強化したという。

経営後継者研修は10カ月間という長期にわたって自社を離れ、自社の課題解決と将来像を描くことを通じて、次世代の経営者にふさわしい能力を磨くことを目指している。毎年20数人が〝合宿〟形式で学ぶことで、業種・業界を超えた生涯にわたって語り合える仲間に出会える点が大きな魅力だ。これまでに800人を超える後継者が卒業し、その多くが全国各地で経営を担っている。

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