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経産省中企庁 コロナ対策の無観客会場でも支援策強力発信

2020年 3月 11日

報道関係者のみ入場が認められた会場
報道関係者のみ入場が認められた会場

東京都千代田区の日経ホールに約500人という多数の聴講者を招いて開催する予定だった日本経済新聞社主催で経済産業省中小企業庁後援の中堅・中小企業活性化プロジェクト「『伸び盛り企業会議2020』-IT導入、サービス品質の向上による生産性改革について-」は、新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を踏まえて会場での一般聴講を中止し、主催者の専用チャンネルでライブ配信された。

民間企業経営者の講演などと並んで、浅野大介・経済産業省商務・サービスグループサービス政策課長による基調講演「『使えるIT』でサービス現場はどう変わるか」と、渡邉政嘉・中小企業庁経営支援部長の同「中小企業の未来について」も予定通り執り行われた。報道関係者以外は無観客となった会場であっても、ライブ配信の視聴者に向けて、両者とも中小企業・小規模事業者の生産性向上の実現が期待できる支援策を強く発信した。

浅野課長は、IT導入補助金制度を中心に説明した。新型コロナウイルスの影響で推進が求められるようになってきたテレワークの導入などのIT化促進で、3月13日に申請を受け付け始める予定の中小企業生産性革命推進事業では、労働生産性の1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上となる事業計画の策定などを申請要件としている。

しかし、早期の活用を期して申請期日を前倒ししたことから、今回の1次募集では、制度に定められている「従業員の賃上げ」要件を求めないことを明らかにした。

現場の前線で稼ぐことに尽力すべき人材が、経営のIT化の遅滞が影響して煩雑な事務作業に追われる状況から早急に脱却すべきとして、浅野課長は同事業で補助対象としているパッケージソフトの導入やクラウド環境の活用を促した。

「個別のITソフトを購入して自社に馴染むようにカスタマイズすることによる開発とメンテナンスのコスト高を回避するためにも、パッケージソフトを自社事業に当てはめて活用し、生産性を上げてほしい」と導入を勧めた。

同課長は、新設した「共創型」サービス・IT連携支援事業も詳説した。同事業は、API(アプリケーション プログラム インターフェイス)連携などにより既存の複数のITツールを組み合わせたITツールを中小サービス業者らが導入する際の費用を補助するもの。

平成29年度のIT導入補助金を活用した事業者から「現場の全業務プロセスに一気通貫で対応しているITツールがない」「導入したITツールは現場の課題にフィットしておらず、利用者目線で構築されていない」などとする声があったことを紹介。ITベンダーは開発したシステムの納入責任を負うだけでなく、システム開発を通じてユーザーの価値創造に協力するというあるべき姿を求めるとして同事業に5億円を充当。「野心的に公募する」とした。

同事業の活用で、店舗の来客予測や体動センサーによる保育記録、トラブルが発生しがちな介護施設における従業員と利用者の言動記録に関するシステム開発など、生産性向上を実現する多様な需要の充足が期待できるという。

一方の渡邉部長は、中小企業生産性革命推進事業に加え、10日に閣議決定された中小企業成長促進法案にも言及した。

経営者保証の有無が事業承継の障壁となっている中小企業が、承継時に経営者保証なしの債務に借り換えるにあたり、経営者保証を不要とする信用保証制度の追加や、地域経済牽引事業計画の承認を受けた中小企業が中堅企業に成長して中小企業者要件に該当しなくなっても、計画期間中は同計画に基づく支援を継続する特例措置などが同法案に盛り込まれていることを説明した。