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困ったときこそ寄り添って、中小企業再生支援セミナー開催:中小機構

2020年 2月 17日

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

中小機構(中小企業再生支援全国本部)は2月14日、東京都港区の笹川記念会館で「中小企業再生支援セミナー」を開催した。地域経済を担う中小企業と金融機関がお互いに生き残るために共存共栄策を考えるセミナーで、基調講演とパネルディスカッションを実施。金融機関をはじめ弁護士や会計士など支援担当者約550人が参加した。大阪市北区の大阪国際会議場でも2月20日に同様のセミナーを実施する。

左から梅原、辻、藤原の各氏
左から梅原、辻、藤原の各氏

パネルディスカッションは二部制で、前半は「地域の運命共同体である中小企業と地域金融機関」と題し、山陰合同銀行の梅原裕之経営支援グループ長、多摩信用金庫の辻伸敏融資部長、中小企業再生支援全国本部の藤原敬三顧問が登壇。金融機関が取引先企業とどう向き合っているかを報告し、支援拡充の具体策を話し合った。

藤原氏は「業績の粉飾事例が増加している」と問題提起。辻氏は「企業の悩みや課題が見えないまま突然倒産する事例が少なくない。決算書に残高証明を添付することも減っている」と報告し、粉飾防止のため「顧客の顧問税理士と連携を強化している」と語った。梅原氏も「決算書の定期的なモニタリングなど顧客との接触を強化する」と述べた。辻氏は「粉飾が判明してもすぐに融資を引き揚げることはない」と話し、梅原氏も「顧客が困ったときこそ寄り添って支援したい」と同調。3氏は顧客との信頼関係の醸成が重要との認識で一致した。

後半は「失敗事例から学ぶ中小企業再生の本質」をテーマに意見交換。長島・大野・常松法律事務所の小林信明弁護士、東京都中小企業再生支援協議会の小林信久統括責任者、中小企業再生支援全国本部の加藤寛史副統括プロジェクトマネージャーが事例を挙げながら有効な対応策について意見交換した。

パネルに先立ち、金融庁と中小企業庁の担当者が基調講演。金融庁監督局の石田晋也参事官は「地域金融機関のビジネスモデルと事業性評価」と題し、「新時代の金融サービスは利用者が中心でなければならない。金融庁も関係者との対話を重視する方向に変わる必要がある」と述べた。また中企庁事業環境部金融課の海老原史明総括課長補佐は「中小企業金融の今後のありかた」と題し「資金繰りに悩む中小企業者は依然多いが、経営改善のために取り組みを行う金融機関が少ない。シームレスな支援体制が必要だ」と指摘した。