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令和2年年頭所感:豊永厚志・中小機構理事長

2020年 1月 6日

豊永厚志・中小機構理事長

独立行政法人中小企業基盤整備機構
理事長 豊永 厚志

新年、明けましておめでとうございます。令和2年の新春を迎えるにあたり、年頭のご挨拶を申し上げます。

中小企業・小規模事業者の皆様を取り巻く環境は、少子高齢化に伴う人手不足、経営者の高齢化と後継者の不在、最低賃金の引上げ、本年4月より始まる働き方改革関連法の中小企業への適用など大きな変革期にあるといえます。また、昨年夏以降に相次いだ豪雨や台風等の自然災害により、広範囲にわたり甚大な被害が発生し、地域の方々の生業や観光といった経済活動にも大きな影響が生じました。

一方、今夏には半世紀ぶりに東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。世界各国から多くの外国人観光客が我が国を訪れることが予想され、インバウンドなど関連需要の拡大も期待されています。

中小機構が四半期毎に発表する「中小企業景況調査」においても、中小企業・小規模事業者の景況感は4期連続で低下でしたが、直近の12月期では今後の見通しとして改善の動きがみられるとの基調判断をしているところです。

このように経済社会の情勢が大きく変化する中、令和2年は中小企業・小規模事業者の皆様も自らの変革に取り組むことが求められております。また、今後いつでも起こりうる自然災害に対しても、事業継続の観点から事前の備えが必要になっております。変化が激しく、先が見えない時代だからこそ、今ここにある課題を前向きに捉え取組みを行うことで、大きく飛躍するチャンスの年でもあります。

中小機構は、全国の支援機関と連携し、中小企業・小規模事業者の皆様の成長と発展を促進する使命をもっております。また、中小企業・小規模事業者の皆様の様々な活動と成果が地域社会の発展につながり、「豊かでうるおいのある日本」につながることは言うまでもありません。このような認識のもと、中小機構は令和2年において、以下を全力で取り組んでまいります。

第一に、経営環境の変化への対応のサポートと事業の継続を図るための支援に全力で取り組みます。
近年喫緊の課題となっている経営者の高齢化に伴う後継者不在の問題に関しては、親族内承継の減少に伴い、親族外承継(従業員承継や第三者承継)も増加しており、事業承継の在り方も時代とともに変化しています。全国の事業引継ぎ支援センターの全国本部を担う中小機構では、事業承継に係る窓口相談をはじめ、円滑な承継に向けた計画的な取組みやノウハウ共有のためのセミナー、フォーラムの開催、後継者育成に向けた研修の提供のほか、全国の事業引継ぎ支援センターの相談情報をデータベース化したノンネームデータベースを活用し、後継者候補の確保・育成支援など「事業承継・事業引継ぎの促進」に向けた支援を強力に進めてまいります。

また、日本経済を支える中小企業・小規模事業者が、自然災害が起きた場合にも安定的に事業活動を継続できるよう、防災・減災対策のための計画策定支援を単独の企業だけでなく、複数の中小企業・小規模事業者からなる組合や連携体に対しても積極的に行うほか、従来からの事業再生支援や小規模企業共済・経営セーフティ共済を確実に運営し、「経営環境の変化への対応の円滑化」を推し進めてまいります。

第二に、変化の波をとらえ、イノベーションを通じ発展・飛躍を図るための支援に取り組みます。
働き方改革など相次ぐ制度変更への適切な対応に向け、更なる生産性向上、業務効率化の推進と支援ニーズの高まりが期待されます。国も大規模な補正予算を組んで、中小企業の生産性を向上することを目的とした「中小企業生産性革命推進事業」を創設すると発表しています。これにより中小機構は「ものづくり・商業・サービス補助事業」、「IT導入補助事業」、「小規模事業者持続化補助事業」を中小機構が従来から実施している経営支援や販路開拓支援、IT導入支援と効果的に組み合わせて一体的に実施していくこととしております。

また、イノベーションや地域経済の活性化のための起業・創業・成長支援、インバウンドの取り込み、販路開拓・海外展開などといった「新事業展開の促進・創業支援」など、中小企業・小規模事業者の多様なチャレンジを後押しするための支援にも積極的に取り組んでまいる所存です。

中小機構は昨年から第4期中期計画期間に入っております。今後も国からの政策要請に加え、中小企業・小規模事業者の多様な支援ニーズに応えるべく、全国各地の中小企業・小規模事業者の支援に取り組む関係団体・士業の皆様や中小企業応援士の方々と力を合わせ、中小企業・小規模事業者の支援に取り組んでまいります。

皆様方におかれましては、この1年が更なる飛躍の年になるようにお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。