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「ものづくり」と「サービス」別に「現地の今」を:ジェトロ「ワールド・ビジネス・フェスタ」

2019年 12月 9日

海外進出の機会を探る中小企業経営者らで満席の会場
会場は海外進出の機会を探る中小企業経営者らで満席!

ジェトロ(日本貿易振興機構)は12月6日、東京都港区の同本部で、海外展開を目指す中小企業を対象に、海外ビジネスの最新情報を1日で入手できる「ワールド・ビジネス・フェスタ」を開催した。世界各国のジェトロ事務所で支援に努めるコーディネーター(専門家)らが集合し、それぞれに「現地の今」を伝えるビジネスセミナーおよび中小企業各社が抱える課題解決に尽力する個別相談会を開いたもの。

6回目となる今回は、アメリカ、ドイツ、タイ、台湾、ベトナム、マレーシア、インドの7カ国・地域から8人のコーディネーターが集結。初の試みとして、製造業をはじめとする「ものづくり」と、主に外食、小売、理美容や教育などの生活関連産業からなる「サービス」の2つの産業別にセミナー会場を分けることで来場時の選択肢を明確化し、これまでよりさらに受講しやすい環境を提供した。

タイ・バンコク事務所の福田淳コーディネーター(壇上)は、「サービス」産業セミナーで「タイから見る次代のビジネスチャンス」と題して講演。最近のバーツ高が輸出産業に影響することがあるものの、勢いがある業種に健康診断とパッケージ化したメディカルツーリズムをはじめとする観光産業および進出が相次ぐ日本食産業などを挙げた。とりわけ日本食のステータスは、大型日系アミューズメント・レジャーモールの進出が揚力となって、さらに高くなったとした。

一方、同国は豊富な労働力を安く確保できる旧来の途上国ではもはやなく、リープフロッグ現象も発生する中進国であることを踏まえて、同国で設立が法制化されている合弁会社のパートナー企業と、事業プランをよりローカライズする「現地化」を進めるべきと強調した。

インド・ムンバイ事務所の荒木英仁コーディネーターは、「ものづくり」産業セミナーで「巨大市場に挑む!中小企業がインドに参入するには?」の演題で講演。ムンバイ・アーメダバード新幹線整備計画とデリー・ムンバイ鉄道関連事業に参入余地があることを紹介した。拠点を構えるためにも、土地確保や許認可取得、州政府主導の節税措置などでメリットのある日本企業用工業団地の活用を勧めた。

販路開拓には、英語の素養のある欧米事業経験者を責任者に選定したうえで、地域でそれぞれに排他的なインド人気質を考慮し、地域に根差した信頼できるインド人を各地の営業マネージャーに採用することを提案した。冒頭では毎年オーストラリアの人口に相当する2500万人が生まれ、国民の平均年齢が28歳と若い人口構造が続く同国の魅力を伝える動画を流し、セミナーのビジュアル化にも工夫を凝らした。

セミナーに登壇したコーディネーターが顔を揃えたパネルディスカッションも「ものづくり」と「サービス」の産業別に展開。他方、併催した個別相談会では、コーディネーターらが基礎的な質問への回答から具体的な課題の解決策提案まで、中小企業の要望に幅広く丁寧に対応した。1枠50分で1企業あたり3枠まで受け付けるなど、中小企業が現地の「リアルな最新ビジネス情報」を入手できる機会の提供に努めた。

同構は、同イベントをきょうおよび10日に群馬県高崎市のエテルナ高崎、10日に名古屋市中村区の愛知県産業労働センター、13日にさいたま市大宮区の大宮ソニックシティビルでも開催する。