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中小観光事業者と大手旅行会社をマッチング:中小機構「観光商談会2019」

2019年 11月 21日

商談に熱が入る満席の会場
商談に熱が入る満席の会場

中小機構は11月20日、東京都港区の八芳園本館で、地域新事業創出支援により着地型観光に取り組んでいる中小事業者13社と大手旅行会社など同機構の地域活性化パートナー企業11社とのビジネスマッチング「観光商談会2019」を開催した。商談会には参加しなかったものの、地域活性化パートナー企業の1社である八芳園が地域・社会貢献意識で提供した日本庭園を臨む会場は、75件の活発な商談で終始活況となった。

同商談会は、昨年に続いて2回目の開催。今回は、東京五輪大会を来年に控え、インバウンド関連事業を企画している「地域新商品・新サービス開発支援」の事業者や「地域資源活用」の認定事業者が参加した。一方の地域活性化パートナー企業は、同機構が、中小企業の新事業展開支援で市場ニーズの把握、企画・開発した新商品・新サービスの市場評価、マーケティングおよび販路開拓などで協力を依頼している、大都市圏や全国規模で展開している小売、卸売りなどの流通業、情報サービス業、観光業などの企業・団体だ。

農産加工品の製造・販売、水道施設工事業・簡易水道の管理、市民バスの運行などで雇用創出と地域活性化に尽力している地元出資の吉田ふるさと村(島根県雲南市)は、西洋から近代製鉄技術が導入されるまで和鉄生産で栄えていた旧吉田村における「たたら製鉄」の原理を学びながら体験できるプログラム「ミニミニたたら体験」を提案した。石原秀寿観光事業部長は「プログラムを顧客に紹介してもらえることになっただけでなく、バイヤーによって主要購買者層が異なることから、ターゲットとすべき顧客の絞り込み方でも助言を得られた」と商談会参加を好感した。同社は前回に続いて2回目の参加。前回で商談したバイヤーとは共同ツアー企画が実現したという。

ホテルモナーク鳥取を運営している鳥取県農協共済福祉事業団(鳥取市)は、鳥取砂丘を体験・体感できる多彩なプログラムを開発中。顧客のニーズに応じて時間帯やルート、規模などをアレンジできるツアー企画としていることから、多種多様な協力会社が介在している。本多崇支配人は「特殊性のある商品だけに、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した広報活動や、カード会社などへのプレゼンの重要性を知った」と収穫を語った。

飲食店やイベント事業などを基盤に地域ブランディングを展開しているdo-mo(東京都あきる野市)は、日本の民話「花咲か爺さん」さながら、地元の高齢者が育てた南沢あじさい山を拠点としたパッケージ商品を企画。髙水健代表取締役は「訪日外国人客と花咲か爺さんとのフックになるヒントを得た。具体策に反映したい」と商品化に意欲を見せた。

バス・タクシーの貸切サービスを提供しているユタカ交通(和歌山市)は、和歌山県の海・山・川などの自然を活かしたフィッシングトリップを開発している。豊田英三代表取締役は「目的地にリーチするルート開発や、バイヤーが想定している販路別に企画を立案する必要性に関する助言を得られた」と話した。

商談会終了後は、同機構の砂子隆志氏が全体講評。「商談に入る前に必要な準備や、観光ルートそのものに加えて観光客を呼び込むためのルート開発、訪日客向けに異なる国民性を踏まえた商品企画などでプロの意見を聞けたことは、中小事業者にとって有意義だった」などと振り返った。

続いて、パートナー企業を代表して、雑誌・ムック出版を主力事業とするワールドフォトプレスの坪井一雄氏が「中小事業者には、既存の観光企画にマーケティングやものづくりなど別の要素を加えるとさらに改良できるといったアドバイスを送った。パートナー企業にはメディアを活用した話題性の伴うPR活動でも協力を求めた」と述べ、今後の観光プラン開発に期待した。

今回参加した中小事業者は、以下の13社。
・株式会社丘の上のわくわくカンパニー(北海道)
・有限会社マルトシ 吉野商店(同)
・久慈琥珀株式会社(岩手県)
・笛木醤油株式会社(埼玉県)
・株式会社do-mo(東京都)
・合同会社湘南プレミアムWedding(神奈川県)
・有限会社丸井伊藤商店(長野県)
・株式会社マルト(奈良県)
・ユタカ交通株式会社(和歌山県)
・株式会社鳥取県農協共済福祉事業団 ホテルモナーク鳥取(鳥取県)
・株式会社吉田ふるさと村(同)
・株式会社さんべ開発公社(同)
・鶴田石材株式会社(岡山県)