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「自立型社員」の獲得・育成で講演:中小機構と荒川区

2019年 11月 14日

人材活用の秘訣を語る松橋氏
人材活用の秘訣を語る松橋氏

中小機構関東本部と東京都荒川区は11月13日、同区のホテルラングウッドで2019年度第3回「日暮里経営セミナー」を開いた。精密位置決めスイッチで世界トップシェアを誇るメトロール(東京都立川市)の松橋卓司社長が「社員の強みを最大限に活かす!自立型社員の獲得と育成方法」をテーマに講演した。

同社の従業員数は約110人(平均年齢32歳)で女性比率は65%。このうち製造部門は7割、営業部門は8割が女性だ。このため「職人芸に頼らない」を基本に、簡素な製造工程を構築して作業をマニュアル化しており、素人でも1000分の1ミリメートル精度のセンサーを入社初日から作れるという。

製造は分業ではなく、1個の部品の組み立て、試験、袋詰めをすべて1人で担う「セル生産・1個流し方式」を採用。全社で1万種類の部品から1000種類の製品を製造しており、松橋社長は「1人で最初から最後まで行うことで、1年目は30種類、2年目は50種類の製品が作れるなど、年を追うごとに多能工化する」「個人としてやりがい、達成意欲が高まる」とメリットを強調した。営業も国別に全面的に任せ、徐々に成果が上がるという。

また1998年に始めた海外向け直販サイトに言及し「クレジットカード決済と国際宅配便というインフラが整った時期とうまくリンクした」と説明した。フェイスブックの活用や海外展示会での出展ブースの設計・施工など、若手社員が活躍した結果、2001年に13%だった海外売上高比率は43%まで高まったと述べた。

さらに「人材は教育するものではなく、発掘するもの」と断言。偏差値や出身校を基準にした採用で失敗した過去の経験から、思考力と利他性を持つ自立性の高い人材の採用を実施する。その上で、学生では足りない「関係性」「コミュニケーション力」を磨くため、社員同士による対話イベントを開催していることを披露した。

メトロールは1976年に松橋社長の父が創業。磁気や光の変化で位置を測定する従来の電気式とは違い、温度変化や汚れに強く測定精度の高い業界初の機械式スイッチを開発し、業容を拡大した。2012年に「中小企業IT経営力大賞・経済産業大臣賞」を受賞したほか、2014年に「グローバルニッチトップ企業100選」「ダイバーシティ100選」に選定された。