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海外展開成功のヒントを紹介:中企庁が取引価値向上セミナー

2019年 10月 30日

自社ブランド構築の重要性を説く内原氏
自社ブランド構築の重要性を説く内原氏

中小企業庁は10月29日、東京都千代田区の経済産業省講堂で「取引価値向上セミナー」を開催した。中小メーカーが海外での販路拡大や異業種への展開で取引単価が向上した事例を紹介し、自ら未来を切り開くヒントにしてもらおうという催しで、海外展開を計画中の中小企業関係者など約200人が参加した。

セミナーは、識者による基調講演と実際に海外展開を成功させている3社の経営者による経験談の2部構成。開会に先立って中企庁創業・新事業促進課の林揚哲課長は「国内で2000円だが海外では4000円で売れる工業部品がある。自社製品・サービスの付加価値を上げ取引価格を上げる取り組みを学んでほしい」と挨拶した。

基調講演では国際ビジネスコンサルタントでSyVision Consulting(仏パリ市)社長のピエール・チュヴィ氏が登壇し「日本製品の品質は文句なく高いが売り込みが下手」と指摘。「現地情報を収集したうえで自社ブランドを構築すべき」と表明した。製造業の海外進出を支援しているNCネットワーク(東京都台東区)の内原康雄社長も「ウェブや展示会出展などで自社の強みを発信していくべき」と述べた。

各社の事例紹介では、金属めっきのジャスト(山形県上山市)の岡崎淳一社長が部分銀めっきやダイヤモンド電着を施した研磨工具などがドイツの展示会で評価され、年間500万円程度の取引を開拓したことを紹介。「料金交渉では関税分と送料コストを忘れずに」と付け加えた。

もみじ饅頭メーカーからロストワックス精密鋳造部品へ転換しタイ、フィリピンなど海外4カ国に進出しているキャステム(広島県福山市)の戸田拓夫社長は「現地に入り込むにはそれなりの努力が必要」と強調。「社員を自由に遊ばせて年に1500~1700件の新規事業案が出るが、形になるのは約1割」と語り、高級イチゴ生産など新規事業も紹介した。

高周波誘導加熱装置を国内外に納入している富士電子工業(大阪府八尾市)の渡邊弘子社長は「海外では通訳任せにせず、取引先に自社の強みを説明できる自前の人材を育成すること。海外で勝ち抜くには継続改良で付加価値を高め、メンテナンスも早期に対応すべき」と語った。