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農村観光ビジネスの成功例紹介:中小企業大学校丸の内セミナー

2019年 10月 18日

自己紹介する藤井氏の写真
自己紹介する藤井氏

中小機構は10月17日、東京都千代田区のイベントスペースTIP*Sで中小企業大学校・丸の内セミナーを開催した。「リッツの先へ!農村観光ビジネス最前線 最先端の農村DMOから学ぶ」と題して大田原ツーリズム(栃木県大田原市)の藤井大介代表取締役社長が、高級ホテルチェーンをしのぐ農村DMO(観光地経営)のあり方を講演。農村観光の支援ビジネス関係者ら約50人が参加した。

藤井氏は2012年7月、中山間地域で限界集落も少なくない栃木県北部の大田原市の要請で滞在型の農村体験を提供する大田原ツーリズムを設立。「本来の日本の体験」をキーワードに地元の「人」と「資源」を活用し、蕎麦打ち、渓流釣り、田植えなど120種の体験型プログラムを用意して企業研修や小中学校の合宿、訪日外国人などを対象に売り込んだ。

現在は「約170軒の地元農家の賛同を得て、年に約1万人がのべ5000泊している」と強調。雑草が生い茂る里山で「下草刈り競争」を実施して草刈りの早さや面積を競わせ参加者に達成感を味わってもらいながら里山を再生させたこと、廃校になった小学校の校庭で運動会を実施したことなど同社の事例を紹介しながら「地域観光に必要なものはコンテンツとプロモーションの二つだ」と語った。

成功のコツは「市や観光協会、テレビ局など地元関係者を巻き込み“関わっている感”を醸成したこと、優秀な外国人などを採用し業務に関わる人材を育成したこと」と説明。「訪れる人は日本本来の衣食住を体感してリフレッシュし、受け入れる側は地元の農産物や商品のブランド化が図れ、雇用も創出される。人を受け入れるようになると閉鎖的だった地域が活発化する」と話した。

そのうえで「日本には公共交通機関などの移動手段を使い、目的地を点で結んだルートを回り、長期滞在は都市部のみという観光地3原則があるが、これが整うのを待っていたら地方がなくなる」と表明。「農村滞在型の市場を作り、高級ホテルチェーンの“リッツ”を超えたい」と締めくくった。