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米国進出の留意点を伝授するセミナー開催:中小機構関東

2019年 10月 17日

大山氏の発言を聞くパネラー
大山氏の発言を聞くパネラー

 中小機構関東本部は10月16日、東京都千代田区の大手町ラーニングルームで「中小企業のアメリカ進出の実態に迫る!中小企業におけるアメリカ進出/事業運営セミナー」を開催した。米国で税務、法律、進出支援、不動産業務を行っている現地在住の4氏が米国進出の留意点を伝授。活況を呈する米国市場進出に関心を抱く中小企業経営者など約100人が聴講した。

 セミナーは山本雅暁国際化支援アドバイザーの基調講演の後、米国で日系企業の会計・税務を担当するCDH会計事務所の大久保潤パートナー社員、法務をサポートする増田・舟井・アイファート&ミッチェル法律事務所の大山もにかパートナー弁護士、販売戦略やマーケティングを支援するI.T.A.,Inc.の岸岡慎一郎社長、不動産コンサルタントを行うWhite Cube LLCの大春敬社長の4人が、山本アドバイザーを進行役に中小企業の米国進出に関するパネルディスカッションを行った。

 大久保氏は「日本からネット販売などで直販する場合は非課税だが、営業担当が渡米して活動をすると課税され、VISA(入国許可証)が降りなくなる」と警告。大山氏は「米国は訴訟社会。進出時にはきちんと子会社をつくり、トラブル発生の際、日本の親会社に塁が及ばないようにすべきだ。州によって法律が違い、米国法人を設立するならディラウエア州がベスト。ウィスコンシン州やミネソタ州は地元企業の保護色が強い」と述べた。

 現地人材の雇用について大山氏は「米国では雇用の際、ジョブディスクリプション(職務記述書)で仕事内容を細かく定め、対価も決める」と紹介。大久保氏は「日本では交通費が非課税で退職金も出るが、米国はあらかじめ取り決めた給与以外はない。ベネフィット(利益)を出す仕組みを考えるべき」と語った。大春氏は「もっといい条件を求めて転職はあたりまえ」と述べ、岸岡氏は「優秀な人材を確保するにはストックオプション(自社株購入権)や保険などを手当てするのも有効」とした。

 このほか岸岡氏は「米国市場は桃型文化。皮をむくのは簡単だが中心に硬い種がある桃と同じで進出は容易だが定着は難しい。現地のセールスレップ(営業・販売代行者)には利益を多めに渡して儲けさせてやることが長続きのコツ」と語り、大春氏は「米国の契約書には必ず期限が明記されており、不動産の契約書は30~40ページもある。起こりうるトラブルのほとんどが網羅されているので最初にきちんと取り決めをしておけば安心」と助言した。