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受入れは外国人の意識に立って:中小機構インバウンド対策セミナー

2019年 10月 1日

原田氏の講演を静聴する観光関係者ら
原田氏の講演を静聴する観光関係者ら

 中小機構は9月30日、東京都港区の同本部で中小企業大学校虎ノ門セミナー「観光立国に不可欠なインバウンドの現状について」を開催した。講師を務めたネクステージ・ジャパンの原田泰宏氏による訪日外国人客の視点に立脚した説明に、旅行会社などの観光事業関係者ら40人超が聞き入った。

 原田氏は、2020年の訪日外国人旅行者数を4000万人、30年には6000万人に増加すると見込んだうえで、同消費額を20年で8兆円、30年には日本のGDPの3%に相当する15兆円になると推計している観光庁の「明日の日本を支える観光ビジョン」を引用。政府が同産業の成長にかける期待は大きいとした。

 18年の日本の外国人旅行者受入数は3119万人であることから、オーストラリアを上回って世界11位だが、人口の約1.3倍に相当する約8700万人の外国人旅行者を受け入れているフランスと比較すると、日本には理論上の受入れ余地があるとする一方、交通渋滞や廃棄物排出過多などの問題が市民生活に悪影響を及ぼしつつあるオーバーツーリズムは注視すべきとした。

 外国人旅行者を受け入れるために必要なことは、外国人の目線と意識であると終始強調した。外国人に人気の高い観光スポットの上位は、伏見稲荷神社、広島平和記念資料館、宮島、東大寺の順で近年は変わらないとする調査結果を概説。日本人がイメージする外国人に人気の高そうな観光スポットとは、必ずしも一致しない実情を明かした。

 飲食事業者向けに、日本政策金融公庫の「外国人おもてなしガイドブック」や東京都の多言語メニュー作成支援サイト「EAT東京」などを紹介。外国人は日本人ほど熱いものを食べる習慣がないことに着眼して、少しぬるいスープで差別化に努めているラーメン店のケースや、ざる蕎麦にめんつゆをかけてしまう外国人旅行者を見て、外国語のメニュー作成に加えて食べ方を説明し始めたそば店のケースなどの好事例をあわせて報告した。