イベント

事業承継でセミナー:東商

2019年 9月 27日

説明する植松氏と田之倉氏の写真
説明する植松氏(右)と田之倉氏

 東京商工会議所は9月26日、東京都千代田区の東商会議室で「事例から学ぶ事業承継セミナー」を開いた。事業承継を円滑に行うために必要なポイントについて、弁護士の植松勉氏と公認会計士の田之倉敦司氏が過去の事例を参考に解説した。

 まず植松氏が、事業承継を失敗しないための事前チェックポイントを紹介。定款と登記で自社が株券発行会社か否かを確認することが前提だとし、「株券を発行しなければ譲渡の効力が生じない株券発行会社ではなく、株券不発行会社にしておくことをお勧めする」と述べた。

 親族内承継は株式を後継者に集中させることが最重要で「最低でも過半数を集めないと何も決められない事態になる」と警告した。その手段として遺言の重要性を指摘し、財産目録はパソコンで作成可能、法務局で遺言保管を開始するといった自筆証書遺言に関する法改正を解説した。

 田之倉氏は実際に事業承継税制を活用して2代目から3代目に贈与した中小製造業の事例を紹介。同族株主10人に分散していた株式を5人に集約し、後継者の持株比率を24%から74%に引き上げた成功ポイントを説明した。

 親族外承継については、従業員に承継する際の株式買取り資金の不足問題を解説。植松氏は、従業員が代表取締役に就任して経営権を承継しても、取締役会による解職と株主総会による解任の可能性があるとし、対策として後継者の役員報酬の引き上げや、MBO(役員による買収)会社による株式買取りなどを挙げた。田之倉氏は「従業員が納得して承継することが最も重要であり、事前の株価対策も必要だ」と指摘した。