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医療機器イノベーションのセミナー・交流会に100人超:国立がん研、中小機構など

2019年 9月 20日

講演する江崎氏
「高齢化社会は悪ではない」と説く江崎氏

 国立がん研究センター東病院、中小機構関東本部、ベンチャー支援組織TXアントレプレナーパートナーズは9月19日、千葉県柏市の柏の葉キャンパスKOILスタジオで「第3回メディカルデバイスイノベーションin柏の葉」を開催した。昨年度から始まった医療機器イノベーションのエコシムテム構築をめざすセミナーと交流会で、過去2回のイベントを機に東病院とベンチャー企業の共同研究など3件が進行している。同日は識者3人が講演し、医療機器ベンチャー10社が自社の技術・事業を紹介。医療関係者、金融機関、支援機関など100人を超す参加で盛り上がった。

 主催者挨拶の後、内閣官房健康・医療戦略室次長の江崎禎英氏が「健康・医療システムの在り方-高齢化の進展と疾患の性質変化を踏まえて-」と題し講演。江崎氏は「長生きを望み、それができる社会は必ず高齢化する。高齢化社会は暗く大変ではない」と強調。「公的保険はそれがなければ生きられない人のために不可欠だが、運動や食事など生活管理による病気の予防と進行抑制で医療費を減らすべきだ」と指摘。医者不足を質の高いデータを学習したAI(人工知能)で補うべきとした。そのうえで「人生100年時代を楽しく健康に過ごせる生涯現役社会の構築を目指したい」と語った。

 米ジョンソン・エンド・ジョンソンイノベーションの日本担当ディレクターの楠純氏は「ジョンソン・エンド・ジョンソンにおけるオープンイノベーションモデル」を講演。同社のスタートアップ企業のためのインキュベーション施設を紹介したうえで「日本は特許取得数が多いが、英語を話す人材とベンチャー企業への投資額が足りない。このままでは中国に追いつかれる」と警鐘を鳴らした。国立がんセンター東病院の伊藤雅昭氏は「次世代医療機器連携拠点としてのNEXTの取組」をテーマに産学官共同で医療機器を開発する同病院施設NEXTを説明した。

 続いて医療機器ベンチャーによる3分間のプレゼンテーションを実施。KORTUC(東京都千代田区)は過酸化水素水とヒアルロン酸の混合材を腫瘍に注入しがんの放射線治療の効果を高める放射線増感剤を説明した。五稜化薬(東京都港区)は測定対象物質が存在する場合に蛍光を発する薬剤を用いて乳がんや食道がんなどの手術精度を高める「ナビゲーションドラッグ」を紹介。微量血液からモノクローナル抗体を発掘する技術を開発したBody(名古屋市)は、患者の抗体を治療に役立てる構想をアピールした。