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ロイヤルHD会長が生産性向上で講演:中小機構セミナー

2019年 9月 17日

「働き方改革は生産性や業績を向上させる」と語る菊地氏の写真
「働き方改革は生産性や業績を向上させる」と菊地氏

 中小機構は9月13日、東京都千代田区のビジネス創発拠点TIP*Sで、中小企業大学校・丸の内セミナー「経営課題として取り組む生産性向上~ロイヤルグループの取り組み」を開催した。ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」や「天丼てんや」をはじめ、空港や高速道路内の飲食店、機内食、ホテルなど幅広い事業を手がけるロイヤルホールディングスの菊地唯夫代表取締役会長が、増収増益を継続するための戦略や生産性向上に向けた機械化・働き方改革の取り組みを紹介した。

 菊地氏はまず、2010年に社長就任後、2期連続で赤字だった同社を6年連続の増収増益に改革した考え方を披露した。2020年に向けて「日本で一番質の高い食&ホスピタリティグループ」をビジョンに掲げ、少子高齢化や人口減少に対応したブランド再構築を実行。既存店の前年割れが続いていたロイヤルホストは、赤字店閉鎖で280店舗を220店舗に減らす一方、存続店に大幅な設備投資をして品質を向上させた。一方で高齢者や外国人旅行客に人気の高いてんやは成長事業と位置付け、出店攻勢をかけた。

 また働き方改革が生産性向上と業績改善につながった事例を紹介。24時間営業を完全廃止し、17年からは早朝・深夜の営業もやめた結果、「当初は7億円の減収を予想したが、逆に7億円の増収を実現した」と語った。混雑するランチとディナーの時間帯に人員を集中的に配置し、サービス力を高めたことで客単価のアップと機会損失の低減につながったという。人口減少時代には従来のやり方は通用しなくなり、「働く人を確保できない企業は市場から退出せざるを得ない」と訴えた。

 さらに生産性向上と働き方改革をテーマに東京都内に出店した実験店舗を紹介。カードやスマートフォンによる完全キャッシュレス、セルフオーダーを導入し、レジ締めを不要にしたほか、コックの知識・ノウハウをボタン一つで再現する最新の調理器や掃除ロボットなども導入した。機械化により生産性向上と効率化を図る一方、従業員は人が行うことで価値を生み出すサービスに集中すべきとし、「肉体労働はロボット、頭脳労働は人工知能(AI)に代わることができても、感情労働である接客は人でしか担えない」と強調した。