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中小企業強靭化対策でシンポジウム:中企庁

2019年 8月 1日

あいさつする鎌田次長の写真
あいさつする鎌田次長

 経済産業省中小企業庁は7月31日、東京都港区の品川インターシティホールで「中小企業強靭化対策シンポジウム」を開催した。「中小企業強靱化法」の施行を受け、中小企業に防災・減災への取り組みを促すことが目的。中小企業庁の牧野剛中小企業政策統括調整官が法制度の概要を説明したほか、基調講演とパネル討論会を行った。中小企業経営者ら400人近くが参加した。

 冒頭あいさつした鎌田篤中小企業庁次長は「近年、地震や豪雨などの自然災害により、中小企業の廃業やサプライチェーンの寸断といった危険性が高まっている。中小企業が事業継続力強化計画を作成して経済産業大臣が認定する制度を創設したのを機に、防災・減災にしっかりと取り組んでいただきたい」と呼びかけた。

 基調講演は、東京都中小企業診断士協会の藤田千晴理事が「被災地の復興事例に学ぶ事業継続力強化の進め方」をテーマに、東日本大震災や熊本地震、胆振東部地震などを教訓に話した。建屋や設備は全壊したものの、発見できた顧客リストをもとに早期に事業再開を果たしたケースを引き合いに、「被災後もパソコンや機械などは手に入れられる。防災・減災の基本は顧客データや仕様書など得がたいものを優先することだ」と述べた。

 また初動対応や情報収集、人員確保などでどのような対策が有効だったかを紹介。「防災・減災対策は発生時のみ有効というわけではなく、平常時の経営課題解決にも有効な対策が多い」と指摘し、生産性の向上や調達コスト削減、従業員のスキルアップなどにつながった事例を示した。

 パネル討論会には、いち早く事業継続計画(BCP)を策定した升本総本店(東京都新宿区、酒類卸)の升本和彦社長と、生出(おいずる、東京都瑞穂町、精密製品の緩衝包装)の生出治社長が中小企業代表として登壇。升本氏は「最初から難しく考える必要はない。当社は、ほどほど、ついで、折れないという3つのキーワードでBCPを策定した」と述べた。生出氏は「計画を策定するだけでなく、定期的に訓練することが重要。訓練により不備な点を洗い出すことで、業務改善にもつながる」と強調した。

 また、サプライヤーのBCP策定を支援しているナブテスコの木村康弘BCP総括事務局参事が大企業の立場から、東京海上日動リスクコンサルティングの指田朝久主幹研究員が損害保険会社の立場から、それぞれ意見を述べた。