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強い会社になるための銀行対応の基礎知識

テーマ:資金調達

実務編

2013年9月13日

中小企業にとっての資金調達は、まずは自己資金、次に親族や知人からの借入や出資、そして銀行からの融資のいずれかになると思います。クラウドファンディングの利用によって、見知らぬ第三者からの融資も可能性としてはありますが、基本は自己資金と親族や知人、銀行からの融資です。
 今回は銀行から融資を受ける場合の銀行対応の基礎知識について紹介します。強い会社になるためには銀行との関係をうまく築き、財務的な安定を築くことが重要です。


銀行からの借入の種類

まずは、銀行からの借入にはどのようなものがあるのか紹介します。銀行からの借入については、大きく分けて以下の3つの調達方法があります。


1.手形割引(短期)
 取引先から受け取った手形を期日の前に銀行に買い取ってもらうことで融資を受ける方法です。手形の振出先である取引先の信用力を利用して資金調達を行うことができますが、自社の信用力も合わせて審査されています。短期間の融資の時で手形取引の多い会社で使われている融資の形態です。


2.手形貸付(短期)
 銀行に対して返済日を期日とする手形を発行して、融資を受ける方法です。短期の運転資金や納税資金、賞与資金など主に1年以下の短期資金の調達の際に行われています。


3.証書貸付(長期)
 金銭消費貸借契約書を作成して融資を受ける方法です1年超の長期間の借入の際に利用されます。長期間にわたる借入のため、連帯保証人の保証をつけたり、不動産の担保を提供したりします。信用保証協会の保証をつけた融資や日本政策金融公庫の融資は証書貸付で行われるのが一般的です。



以上の3つが銀行からの代表的な資金調達の方法です。1から3の順に審査の難易度が高まります。返済期間が長期間になるほど不確実性が増すため審査は厳しくなります。


銀行は融資先の何を審査しているのか?

次に銀行は融資の申込みがあった会社のどのようなところを見ているのか?何を審査しているのか?と社長なら気になる点を紹介します。


1.資金使途は?
 まずは当たり前ですが、銀行は融資先の会社が資金を何に使いたいのかを必ず確認します。お金を借りたいという融資先は、当然ながらその資金を使って何かをしたいので借りるからです。


特に使う予定はないけれど、手元の資金を増やしたいという理由の場合、信用力のある会社以外は怪しまれて融資を受けることが難しくなる場合もあります。銀行のキャンペーンや政府の景気対策等で、資金使途が決まっていなくてもすんなり融資が通ってしまうこともありますが、それはレアケースと思っておきましょう。融資を申し込みたいと営業担当者に言うと、必ず最初に「どういったことに資金をご利用でしょうか?」と確認されます。


資金使途は大きく2つに分けられます。設備投資資金と運転資金です。まずはどちらの資金が必要なのかを融資話の前に明確にしておきましょう。なお、設備投資と運転資金を同時に申し込むことも可能です。
 設備投資資金として資金調達をする場合には、見積書などを取り寄せてどれぐらいの資金が必要になるのかをあらかじめ把握しておきましょう。運転資金の場合には、売上の入金と経費や人件費の支払のタイミングのギャップがどれぐらいの期間なのか、そしてそれを補填するためにどれぐらいの資金需要が生じるのかということを把握しておく必要があります。



2.返済可能性は?
 ここが最注目ポイントです。銀行は融資した資金を回収できない場合には損害を被るので、事業計画の妥当性、融資先の業種の一般的な状況など社長への面談や提出書類を確認しながら慎重にチェックしていきます。


誤解の多いところですが、借入の返済は経費とはなりません。返済の利息のみが経費となります。借入元本の返済資金を確保するには、理論的には返済資金以上の黒字を確保しないと難しいことになります。
 銀行担当者が決算書を見て最初に確認をするのが、会社が黒字なのか?赤字なのか?ということです。税金対策上は赤字のほうが法人税の納税が少なくて済むのでいいのですが、銀行対策上は黒字が好ましいです。最低でも年間返済予定額以上の黒字であることが望ましいです。


3.万が一返済が滞ってしまったら?
 銀行員は石橋を叩いて渡るような慎重な方が多いです。銀行は融資した資金が戻ってこないことを一番嫌がります。万が一返済が滞ってしまった時に、信用力のある第三者の保証人がいる場合や不動産や預金などの担保として提供できるものがないかにも着目します。社長が不動産を持っている場合には、担保として提供することで有利な条件を引き出すことも可能です。


以上3つのポイントは、融資担当者が必ず確認していると思って下さい。銀行対応はこれら3つのポイントにどのように対応していくかが重要になります。


社長にとっては最難関?の資金繰り表の作成

銀行へ融資の申込みをすると必ず今後の資金繰り表の提出を求められます。資金繰り表は、会社の今後のお金の流れがどのようになるのかをまとめた表になりますので、その出来の良し悪しが、融資の結果にも影響を及ぼします。
 資金繰り表の作成を社長自ら作成するのが難しい場合は、経理担当者や顧問税理士に手伝ってもらうといいでしょう。



資金繰り表は、特にフォーマットがあるわけではないですが、(1)営業活動によるお金の出入り、(2)設備投資による大きな支出、(3)借入金の入金や返済、と会社のお金の流れを3つに分けて記載します。3つに区分することで営業活動から借入金の返済資金を確保できているかどうかを確認できるのです。


最後に資金繰り表のチェックポイントを紹介します。ポイントは他の資料や面談時の口頭での説明と資金繰り表が矛盾していないかどうかです。


1.資金繰り表の実績値と実際の数字と違いがないか?
 資金繰り表は、過去の実績と将来の予測を表した表になります。過去の実績値は、試算表など他の資料と違いがあると資金繰り表の信用性が低くなります。過去の実績値は実際の数字と違いがないか確認して下さい。特にスタートの現預金残高が違っていると資金繰り表の意味がなくなってきますのでご注意下さい。


2.資金繰り表の将来の推測値が過去のデータと矛盾していないか?
 過去の月次の売上の推移を見ていった時に、繁忙期で売上が多い月と閑散期で売上が少ない月があったとします。売上の増減が、自身の事業で普遍的に発生する場合には、将来の推測値にも同じように売上の増減を発生させる必要があります。単に年間売上を12分割して計上するよりも、調整したほうがより正確な資金繰り表となることでしょう。


3.資金サイトと資金繰り表の入金・支払いサイトは矛盾していないか?
 入金の資金サイトは取引先ごとに異なると思います。資金繰り表の入金サイトが取引先ごとの入金サイトと矛盾していないか確認して下さい。支払側も同様です。支払側では、年1回や年2回の支払が抜けていることがあります。前年の支払実績を見ながら、漏れがないようにしましょう。


4.借入理由、返済可能ストーリーと資金繰り表が矛盾していないか?
 融資の申込書に記載した借入の理由と資金繰り表の推測値が矛盾していないか確認して下さい。人員増による資金負担増のためと書いておきながら、人件費は前年と一緒となっているのはよくある誤りです。 そして、資金繰り表の最大のポイントは返済可能ストーリーです。借入した資金を使って、会社の業績がどのように変化をするのかは、融資の審査の際に説明が求められます。その説明(ストーリー)と資金繰り表に矛盾がないようにして下さい。


最後に、銀行は会社について決算書を中心に多面的に見ています。誇張や着飾ったところも見抜かれていると思っておいたほうがいいでしょう。


佐藤税理士事務所/佐藤昭一>

解説者

佐藤税理士事務所/佐藤昭一       公式ウェブサイト:http://www.nicechoice.jp/

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