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起業・設立時は助成金を活用し、手続き・人材経費を上手に確保

テーマ:資金調達

基礎編

2008年9月 9日

創業時に活用する返済不要の助成金

創業や異業種進出には、まず多大な資金が必要となり、どうやって資金を調達するかということに頭を痛めている方が多いと思います。

国や自治体、財団などから一定の要件を満たした企業(個人事業含む)に対して支給する助成金の存在をご存知ですか?

助成金の財源は、主に税金や雇用保険料の会社負担分の一部が使用されています。そのため、納税義務を果たし、雇用保険に加入している企業(個人事業含む)は、条件を満たせば当然それを受給する権利があります。しかし、多くの経営者は助成金という存在を知らないためもらったことがありません。企業規模に関係なく設けられている助成金ですが、その多くは、大企業と比較して中小企業にはほとんど活用されていないのが現状です。助成金は、ほとんどが返済不要の高額な金額である反面、制度や申請が複雑多岐にわたり、これが受給失敗の大きな原因の一つになっているのです。しかし、支給要件を満たし、正しく申請さえすれば受給できるわけですから、あえてこれを利用しないことは、非常にもったいない話なのです。

この制度を知っているのと知らないのでは、事業運営に大きなチャンスを逃してしまいかねません。事業家にはうれしい返済不要のもらえるお金「助成金」ですが、創業時にしか受給できないもの、時間のかかるもの、期間限定などさまざまな条件があり、タイミングや準備が必要なものなどが何百種類もあります。具体的には、創業時のみまたは中高年や障害者等の雇用に有利な制度もあり、知らないうちに申請期限後になってから準備をしていなくて後悔してしまうことがあります。

そこで・・・

その会社の設立ちょっと待った!

創業時は、助成金が狙い目です。ここでは何百種類も助成金の中から、創業・新分野進出の資金の一部を支援する助成金について説明します。主に、創業時にもらえる助成金として、「地域需要創造型等起業・創業促進補助金」があります。また、これから雇用管理制度の導入を行う事業主に対して支給される「中小企業労働環境向上助成金」も狙い目です。

新規創業、業態転換、新分野・新業種進出に活用できる助成金

1.地域需要創造型等起業・創業促進補助金

新たな需要開拓や地域の雇用創出を促す事業を新たに創業した場合(地域需要創造型起業・創業)や既に事業を営んでいる中小企業・小規模事業者において後継者が事業を引き継いだ場合などに業態転換や新分野・新業種進出する場合(第二創業)、又は海外市場獲得を視野に入れた事業を新たに創業した場合(海外需要獲得型起業・創業)にその創業事業費・販路開拓費が補助されるものです。

これから創業する女性や若者に対しては特に優遇されます。平成25年3月23日以降に開業した事業であればこれから応募することは可能ですが、「交付決定」以前に契約したもの・支払ったものは原則として対象経費になりませんので、出来るだけ早く手続に入る必要があります。また、補助金交付後5年間は状況報告が必要であり、5年以内に対象事業で一定の収益を上げた場合には収益の一部を納付する義務(補助金額上限)があること、取得価格が1件当たり50万円以上の取得財産については一定期間処分等について承認が必要であり、処分等で収入があったときは一部を納付する義務があることにも注意が必要です。

●支給要件

  • 事業の独創性・需要や事業計画の妥当性が見込めるもの。
  • 認定支援機関である金融機関又は金融機関と連携した税理士・弁護士等の認定支援機関により事業計画の策定から実行までの支援を受けるもの。
  • 金融機関からの外部資金による調達が十分見込める事業であること。

●対象経費

  • 「創業事業費」
    人件費、起業・創業に必要な官公庁への申請書類作成等に係る経費、店舗等借入費、設備費、原材料費、知的財産権等関連経費、委託費、謝金、旅費
  • 「販路開拓費」
    マーケティング調査費、広報費、委託費、謝金、旅費

※認定支援機関への謝金も対象経費となります。

●給付内容

補助コース 補助率 補助金額の範囲
「地域需要創造型起業・創業」 補助対象経費の
3分の2以内
100万円以上~200万円以内
「第二創業」 100万円以上~500万円以内
「海外需要獲得型起業・創業」 100万円以上~700万円以内

*補助額が100万円未満の場合は補助対象外になります。

では、この補助金申請の流れを見てみましょう。

(1)認定支援機関への相談
 創業前、又は創業直後にお近くの認定支援機関へ補助金について相談に行きましょう。補助金申請が可能なようでしたら、認定支援機関と支援確認の契約書を交わします。

(2)創業補助金事務局へ応募
 具体的な事業計画書を作成し、募集期間中に各都道府県創業補助金事務局へ応募します。書類審査(「海外需要獲得型起業・創業」については面接審査もあります)を経て、合格の場合は採択通知が届きます。なお、採択された場合は原則として法人名や事業計画の概要などがHP等で外部に公表されることになります。

(3)創業補助金事務局へ交付申請
 補助対象期間中に契約・支払う予定の対象経費を全て洗い出し、創業補助金事務局へ交付申請します。審査の上、補助金交付予定額・補助対象期間等について交付決定通知が届きます。使用経費が当初の予定を超えた場合でも後から増額はできませんので、交付申請は慎重に行いましょう。なお、交付決定までは応募から約2ヶ月程度かかります。

(4)完了報告、補助金交付
 補助対象期間終了から30日以内に完了報告書を提出し、事業内容・経費内容について検査の上、補助金が交付されます。完了報告から補助金交付までは2,3ヶ月かかります。補助金交付までの事業資金に対するつなぎ融資については、認定支援機関に相談しましょう。

詳細につきましては、下記の独立行政法人中小企業基盤整備機構のホームページを参照してください。
http://www.smrj.go.jp/venture/grant/index.html

2.中小企業労働環境向上助成金

雇用管理制度(評価・処遇改善、研修体系制度)の導入等を行う中小企業事業主(健康・環境・農林漁業分野等のみ)に対して助成されるものです。

このうち介護関連事業主の場合は、健康づくり制度や介護福祉機器導入も助成対象となります。

●支給要件

  • 雇用保険適用事業の中小企業主(*1)であること。
  • 健康・環境・農林漁業分野等の事業(*2)を営む中小企業主であること。
  • 雇用管理制度の導入を就業規則等に新たに定め、1人以上の労働者に適用させること。
  • 事業所毎に雇用管理責任者(制度を推進する人)を選任し、周知していること。
  • 過去に当該助成金の同区分の雇用管理制度整備計画を提出しようとする場合、最後の受給決定日の翌日から3年が経過していること。(介護福祉機器等助成については累計額が300万円未満で前回の支給決定日を過ぎていれば受給可能)
  • 雇用管理制度整備計画の初日の前日から起算して6ヶ月前の日から、事業主都合による解雇(勧奨等退職含む)をしていないこと、または失業保険の特定受給資格者を計画提出日における被保険者数の6%以上かつ4人以上出していないこと。
*1 中小企業主とは
産業分類 常時使用する労働者数 資本金等
小売業(飲食店を含む) 50人以下 5,000万円以下
サービス業 100人以下 5,000万円以下
卸売業 100人以下 1億円以下
その他 300人以下 3億円以下

*2 健康・環境・農林漁業分野等の事業とは
 農業、林業、漁業、電気業、情報通信業、運輸・郵便業、スポーツ施設提供業、スポーツ・健康授業、医療・福祉、廃棄物処理業、及びこれらの分野に関連した建設業、製造業、学術・開発研究機関(事業の詳細は日本標準産業分類を参照)

●給付内容

導入した制度等 支給額
評価・処遇制度 40万円
研修体系制度 30万円
健康づくり制度 30万円
介護福祉機器等 導入に要した費用の1/2(上限300万円)

*健康づくり制度、介護福祉機器等については介護サービスの提供事業者のみ

●制度概要

  • 評価・処遇制度
     評価・処遇制度(キャリアパス制度、昇進・昇格制度、賃金体系制度、諸手当制度等)の導入であって、以下の条件を全て満たすことが要件となります。
    1. (1)通常の労働者に対する制度であること。
    2. (2)賃金体系制度や諸手当制度については、制度導入後の賃金総額が低下しないこと。
    3. (3)当該制度が導入されるための合理的な条件(勤続年数、人事評価結果、所属長の推薦等の客観的に確認可能な要件)が就業規則等に明示されていること。
  • 研修体系制度
     教育訓練制度、研修制度の導入であって、以下の条件を全て満たすことが要件となります。
    1. (1)通常の労働者に対する教育訓練等であること。
    2. (2)労働関係法令等により実施が義務付けられていないものを含むこと。
    3. (3)通常業務と区別して業務遂行の過程外で行われる教育訓練等であること。(Off-JT)
    4. (4)1人につき10時間以上の教育訓練(休憩・移動時間等除く)であること。
    5. (5)当該時間内における賃金の他、受講料・交通費等諸経費が必要な場合は、全額事業主が負担するものであること。
    6. (6)教育訓練期間中の賃金について、通常労働時の賃金から減額されていないこと。
    7. (7)当該制度が導入されるための合理的な条件が就業規則等に明示されていること。
  • 健康づくり制度
     法定の健康診断以外の健康づくりに資する制度であって、以下の条件を全て満たすことが要件となります。
    1. (1)腰痛健康診断、B型・C型肝炎検査、インフルエンザ予防接種、結核検査、検便、メンタルヘルス相談のいずれかに該当すること。
    2. (2)通常の労働者に対する制度であること。
    3. (3)費用の半額以上を事業主が負担していること。
    4. (4)当該制度が導入されるための合理的な条件が就業規則等に明示されていること。
    5. (5)介護サービスの提供事業者であること。
  • 介護福祉機器等助成
     介護労働者が使用することにより、直接的に身体的負担の軽減を図ることができ、労働環境の改善が見込まれる以下の介護福祉機器(1品10万円以下)の導入費用、保守契約費、機器の使用を徹底させるための研修費、介護技術に関する身体的負担軽減を図るための研修費の合計額の1/2(上限300万円)が助成されます。
    1. (1)移動用リフト(立体補助機含む)
    2. (2)自動車用車いすリフト(福祉車両の場合は本体を除いたリフト部分のみ)
    3. (3)座面昇降機能付車いす
    4. (4)特殊浴槽(リフトと共に稼働するもの、側面が開閉可能なもの)
    5. (5)ストレッチャー
    6. (6)自動排泄処理機
    7. (7)昇降装置(人の移動に使用するもの)
    8. (8)車いす体重計

これら以外にも新規創業・新分野進出に活用できる助成金には、下記のものがあります。

  1. 地域雇用開発助成金
    雇用情勢が特に厳しい地域で創業した場合
  2. 海外進出支援奨励金
    海外進出のため、労働者を海外留学・海外出向させた場合
  3. 再就職手当
    失業保険受給者が創業した場合、通常の再就職手当と同様に支給

また、上記以外にも下記の目的に活用できる助成金もあります。

  1. 人材の活用・雇用時にもらえる助成金
  2. 雇用維持・労働維持を図るときにもらえる助成金
  3. 雇用管理・研修を行ったときにもらえる助成金
  4. 高齢者関係の助成金
  5. 女性関係の助成金
  6. 障害者関係の助成金

詳しくは、下記の厚生労働省のホームページを参照してください。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/index.html

解説者

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