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そろそろ確認したい消費税の経過措置

テーマ:税務

実務編

2014年2月10日

 消費税8%への改正が直前に迫ってきました。そろそろ準備を始めなければと思う経営者の方も多いことでしょう。そこで消費税の経過措置と消費税転嫁対策について紹介します。 今回は消費税の経過措置です。


原則

 まずは原則的なことからです。消費税は、平成26年4月1日に5%から8%に変更されます。その後、平成27年10月1日に8%から10%に変更されます。今回の改正の特徴は、短い期間で消費税率が2回変更されることです。5%から8%、8%から10%にそれぞれ今年4月1日と来年10月1日に変更されます。


消費税改正のスケジュール

 税率が変わってからの取引は、新しい税率で行うのが原則です。税率が変わる4月1日前後の取引については、5%なのか8%なのか注意が必要です。また、取引が行われる前であっても、見積書や広告などあらかじめ金額を提示する必要があるものについては、4月1日以降は消費税増税分の金額が変わる旨をどこかに記載しておくとトラブルが防止されると思います。


1.物の引渡しを行う取引の場合

 物の引渡しを行う取引については、物の引渡しがあった日(通常は納品日)に取引があったものとして消費税が課税されます。よって、平成26年4月1日に納品した物は消費税が8%になります。一方、平成26年3月31日に納品した物は消費税5%のままです。注文を平成26年3月31日以前に受けていたものであっても、平成26年4月1日以降に納品する物は消費税が8%になります。


2.物の引渡しを行わない役務提供(サービス)取引の場合

 物の引渡しを行わない役務提供取引(いわゆる対価をもらうサービス)の場合には、役務が完了した日に取引があったものとして、消費税が課税されます。平成26年4月1日に役務が完了したものについては消費税が8%になります。また、平成26年3月31日に役務が完了したものについては消費税5%のままです。注文を平成26年3月31日に受けていたものであっても、平成26年4月1日以降に役務が完了したものについては消費税が8%になります。


 以上が消費税増税における原則的な取扱いになります。


経過措置

 消費税が変わる平成26年4月1日以降は、原則的な取扱いによることになります。ところが、取引が長期間に渡る場合や不特定多数の人と取引する場合など、原則的な取扱いによることが難しいものについては、別途個別に経過措置が設けられています。
 経過措置が設けられているものについては、原則的な取扱いによらないで、経過措置に定められた方法で5%と8%の税率が判断されます。経過措置はいくつかあるのですが、代表的なものを以下に紹介します。


1.請負工事等

 建築工事に代表される請負工事については、平成25年9月30日までに契約したものについては、引渡しが平成26年4月1日以後の消費税8%の時代になっても消費税率5%のままでよいという経過措置が設けられています。請負工事の範囲は建築工事だけでなく、ソフトウエアの制作や広告物の制作など幅広く考えられています。


請負工事の経過措置

2.旅客運賃等

 電車代、飛行機代など事業者が、消費税8%になる平成26年4月1日より前に料金を収受している場合で、実際に電車や飛行機を利用するのが平成26年4月1日以後になるような場合には、これらの取引については経過措置により、平成26年4月1日より前に料金を収受したものに限り5%の消費税率が適用されます。
 電車やバスなどの公共の交通手段だけでなく、映画館や美術館など不特定かつ多数の者に見せるような施設の入場料金についても同様の経過措置が設けられています。
 なお、ICカードのチャージについては、チャージした段階では電車の乗車券を購入しているわけではないため、経過措置の適用はありません。実際に利用した時期が平成26年4月1日以降であれば、ICカードから引き落とされる金額は8%の電車代となります。


旅客運賃の経過措置

 旅客運賃等の収入の受領者に該当する中小企業は少ないでしょうから、経費処理する時に旅費交通費が5%なのか8%なのか注意が必要です。


3.期間をまたぐサービス料金の場合

 保守サービスのように保守契約を1年単位で行い、料金を先に受領している契約があると思います。1年は長いため、その契約期間中に消費税が5%から8%になる場合もあると思います。契約期間が平成26年4月1日の前後をまたぐような場合です。そのような場合には、原則はサービス期間の終了日の消費税率が適用されます。また、平成26年4月1日をまたぐような場合には、サービス期間の終了日は消費税率が8%になっていますから、消費税は8%が原則となります。
 ただし、契約または慣行により、1年分の対価を収受することとしており、その対価を収受した時に収益に計上している場合は、平成26年3月31日までに収益に計上したものについては消費税率5%を適用しても差し支えないことになっています。


4.電気料金等

 公共料金(電気、ガス、水道、電話)で平成26年4月1日より前から継続して供給し、平成26年4月1日から4月30日までの間に料金の支払を受ける権利が確定するものについては、消費税率を5%とする経過措置が適用されます。料金の支払を受ける権利が確定するとは、検針等により一定期間の使用量を確定し、その使用量に基づき代金が確定することをいいます。

 毎月一定金額で利用し放題のようなサービスについては、使用量の多寡にかかわらず、毎月一定金額を支払うものであることから、検針等により使用量を確定して料金が決まるものとならず、経過措置の対象外となっております。


5.通信販売等の経過措置

 通信販売(不特定かつ多数の者に商品の内容や販売価格を提示し、郵便や電話その他の方法により売買契約の申込みを受け、提示した条件に基づいて行う商品の販売)を行う事業者が、平成25年9月30日以前に販売価格等の条件を提示し、または提示する準備を完了した場合で、平成26年4月1日より前に申込みを受け、平成26年4月1日以後に商品を販売するような場合には、消費税率5%を適用する経過措置が設けられています。


 カタログ販売のような場合を想定しています。平成25年9月30日以前に販売価格等の条件を提示したものに限定されている点に注意が必要です。


6.特定新聞等の経過措置

 週、月、その他の周期により不特定多数の者に対して発行される新聞で、発行者が指定する発売日が平成26年3月31日以前であるものについては、平成26年4月1日以後に購入した場合でも消費税率は5%となる経過措置が設けられています。
 なお、以前は特定新聞等の中に雑誌も含まれていましたが、経過措置の改正があり、雑誌については特定新聞等の定義の中から除かれることになりました。雑誌については、原則通り平成26年4月1日以後に購入した場合には、平成26年3月31日以前発行の雑誌であっても消費税の税率は8%が適用されます。


 消費税はすべての取引について、課税取引なのか非課税取引なのか対象外取引なのかを判定する必要があります。平成26年4月1日前後はさらに5%なのか8%なのかを注意する必要がありますので、しばらくは実務が大変になると思われます。まだ準備をされていない事業者の方は早めに準備しましょう。


佐藤税理士事務所/佐藤昭一>

解説者

佐藤税理士事務所/佐藤昭一       公式ウェブサイト:http://www.nicechoice.jp/

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