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交際費課税の改正を有効利用する

テーマ:税務

実務編

2014年1月 6日

 平成25年の税制改正により中小法人の交際費について大きな改正がありました。ここ数年、交際費課税に関しては緩和の方向で進んでいましたが、ここに来て一気に開放されたような感じになっております。
 今回は、交際費課税の改正内容を説明すると共に、開放された交際費課税をいかに有効に使うべきか考えていきたいと思います。


交際費とは

 まず初めに交際費とはどのような内容の支出のことをいうのかを説明します。
 交際費とは、法律では「交際費、接待費、機密費等の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答等のために支出するもの」と定義されています。取引先との会食費やゴルフ・コンペ、お中元やお歳暮などの贈答品などが交際費に該当します。
 交際費については、大企業は全額が法人税を計算する際の経費とはなりません。中小法人は、改正前は年600万円までは9割が経費として認められ、600万円を超えたところからは全額経費とはなりませんでした。
 年間600万円の交際費の枠は結構大きいので、普通の中小企業では交際費は1割経費にならないと覚えていた方も多いのではないでしょうか。
 平成25年度の税制改正では、日本経済再生に向けた緊急経済対策の中で中小企業・小規模事業者対策として、新たなビジネスへのチャレンジへの支援、ものづくり支援、商店街の活性化等に向けた「交際費課税の特例の拡充」を行うこととされたことを受けて、交際費課税の緩和が行われました。



改正の内容

 平成25年度の税制改正により、800万円までは法人税を計算する際に全額経費として認められ、800万円を超えたら全額経費として認められないと変更されました。
 以前は、600万円までは1割経費として認められなかったのが800万円までは全額経費として認められることとなりました。ちょっとわかりにくいかもしれませんので具体例で計算をしてみます。


 1年間の交際費の金額が700万円だったとします。法人税を計算する際に、経費として認められない金額を計算してみます。


【改正前】
(a)600万円を超える交際費
700万円-600万円=100万円
(b)600万円までの交際費
600万円×10%=60万
(c)(a)と(b)の合計
  (a)+(b)=160万円
 平成25年の改正前は、700万円の交際費のうち、160万円が経費として認められませんでした。法人税の実効税率が35%とすると160万円×35%=56万円多く税金を納める必要がありました。


【改正後】
(a)800万円を超える交際費
700万円<800万円 ∴0
(b)800万円までの交際費
700万円は全額経費計上可なので経費として認められない金額は0になる。
(c)(a)と(b)の合計
  (a)+(b)=0万円
 平成25年の改正により、700万円の交際費は、800万円以下のため全額経費として認められることになりました。


 改正前と改正後では、56万円の税額の差が生じています。交際費をそれなりに使っていた中小企業にとってはかなり大きな減税効果あります。


5000円基準はどうなったの?

 交際費が800万円まで経費として認められることになったから、5000円基準のことは考えなくてよくなったの?とよく聞かれます。5000円基準はまだ残っていますので、引き続き5000円基準も適用を受けられるようにしておくといいと思います。


 5000円基準とは、平成18年の税制改正で設けられた基準になります。
 交際費のうち飲食費については、1人あたり5000円以下であれば、交際費から除いていいですよ、という改正がありました。ただし、5000円基準の適用を受けるための条件として、次の事項を記載した書類を保存していることが条件となります。


  1. 飲食等の年月日
  2. 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
  3. 飲食等に参加した者の数
  4. その費用の金額並びに飲食店等の名称及び所在地

 会社の経費で飲食をした場合には必ず領収書をもらうと思います。領収書には、1と4の情報は記載してあるでしょうから、その領収書の空いているスペースに2と3を記載しておけばいいのです。
 これらの記載をした書類を保存することで、税務署側でも税務調査時に1人あたり5,000円以下の飲食費に該当するかどうか判断ができます。よくある質問として、参加者が多すぎて参加者の氏名すべてがわからないというようなことがあると思います。その場合には、○○会社○○部長他○名、仕入先というような記載でも構いません。



平成25年改正後の5000円基準の注意点

 1人あたり5000円以下の飲食費は、上述の1から4の事項を記載した場合のみ交際費から除かれることになります。交際費は平成25年度の税制改正により大幅に緩和されましたが、800万円を超えた交際費については全額経費になりません。領収書への記載が面倒だからと手を抜いていると、1人あたり5000円以下の本来交際費に含めなくてよかったものまで交際費になってしまいます。小さな飲食費が積りに積もって交際費が800万円を超えてしまうというようなことも起こり得ると思います。


 従って、平成25年度の交際費の改正後であっても、引き続き領収書にこまめに参加者を記載して、交際費から除外できるものは、できるだけ除外しておくといいでしょう。


改正はいつから適用されるの?

 交際費の改正は、平成25年4月1日以降に開始する事業年度から適用されています。一応平成26年3月31日までの1年限りとなっていますが、交際費の特例が元々平成26年3月31日まででしたのでそちらに合わせたのだと思います。経済状況や消費税増税の影響を考慮すると、交際費の特例の延長に合わせ、引き続き平成25年改正で認められた800万円以下の交際費の全額経費計上可能が続いていくのではないかと予想しております。どうなるのかは、平成26年度の税制改正大綱により明らかになります。


交際費緩和を経営に活かすには?

 せっかく緩和された交際費を経営に活かす方法はないのでしょうか?
 もしかしたら、誰と飲みに行こうかとまず考えましたか?まず経費を使うことから考えたとしたら、経営者としては失格です。経営者としては交際費課税が緩和されたことを経営に活かすことを考える際に、まず考えなければいけないのは、交際費課税の緩和が、自社の売上アップにならないだろうかという視点です。



 交際費課税が緩和されたことで接待需要や贈答品需要が確実に増えると思います。自社の商品で接待需要や贈答品需要に対応できる商品はないかを確認してみて下さい。もともとの事業内容が接待需要や贈答品需要に関する事業だった場合には、顧客リストや見込み客リストを元に販促をかけてみるのもいいと思います。交際費が緩和された情報がじわじわと浸透してくるので、上手くその需要を取り込めるかもしれません。交際費課税の緩和をまずは売上アップという視点から考えてみて下さい。時代の流れに乗ることですぐにでも売上アップになると思います。


 売上アップを考えた上で、次は交際費を使う視点で考えます。ちょっとした情報収集のために取引先との飲食をするのもいいでしょうし、将来の人脈構築のために交友関係を広げておくというのもいいと思います。交際費を使うことに関してみなさんは筆者より格段に上級者だと思いますので、これ以上の講釈は仕舞いにしておきます。


佐藤税理士事務所/佐藤昭一>

解説者

佐藤税理士事務所/佐藤昭一       公式ウェブサイト:http://www.nicechoice.jp/

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