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環境関連投資促進税制

テーマ:税務

実務編

2013年12月16日

前回に続き、設備投資減税における期間限定の減税措置について解説します。今回は環境関連投資促進税制です。


設備投資減税とは?

設備投資減税とは、ある一定の条件に従った設備を企業が導入した場合に、税制面でその導入をバックアップする制度になります。ただ単にバックアップをするのではなく、国の方向性として、このような企業を増やしたいという政策的な目的を持っていることが特徴です。減税措置は具体的に「特別償却」と「税額控除」という2つの方法があります。どちらの制度を選ぶかは企業に委ねられます。


 特別償却とは、税法で認められている設備の減価償却費に追加して、導入年度のみ償却費を特別に増やすという制度です。通常の減価償却より初年度の経費計上額を多くできるため、経費計上額分の税金を減らすことができます。
 税額控除とは、設備の購入金額の○%の法人税を減税するという制度です。
 特別償却と税額控除のどちらかを選択する必要があります。どちらが有利なのかは対象となる企業の状況により異なります。特別償却は初年度の減価償却費を多めに計上することを認めている制度で、設備を使用している期間全体の減価償却費は設備投資減税を受けない場合と変わりません。つまり、最初に経費を前倒しで多く計上することを認めている制度となります。


 一方の税額控除制度は、減価償却とは別に設備投資額の○%の税金が減税される制度ですので、常に利益が出て法人税が課税されている企業では、税額控除制度を使ったほうが有利となるケースが多いのではないかと思います。


環境関連投資促進税制とは?

 環境関連投資促進税制とは、エネルギー政策を巡る内外の環境変化を踏まえ、エネルギーの環境への適合およびエネルギーの安定供給の確保の観点から、企業の環境関連の投資需要を喚起する目的で設けられた制度になります。
 具体的には、エネルギー環境負荷低減を推進する設備に投資した法人が、取得などしたその設備等について、設備投資減税が認められるという制度です。平成25年の税制改正でその対象となる設備が追加され、コージェネレーション設備については即時償却の対象となる設備となりました。
 特定エネルギー環境負荷低減推進設備等については、即時償却(取得価額全額をその取得事業年度に償却できる)または税額控除の適用となります。それ以外のエネルギー環境負荷低減推進設備等については、30%の特別償却または税額控除の選択となります。ただし、税額控除は中小企業者等のみが選択することができます。



エネルギー環境負荷低減推進設備等とは?

 エネルギー環境負荷低減推進設備等とは、次の減価償却資産をいいます。


  1. 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の認定発電設備(以下「認定発電設備」といいます)に該当する太陽光発電設備でその出力が10kW以上であるものおよび認定発電設備に該当する風力発電設備でその出力が1万kW以上であるもの
  2. 新エネルギー利用設備等(水熱利用設備、バイオマス利用装置等)
  3. 二酸化炭素排出抑制設備等(熱供給型動力発生装置、ハイブリッド建設機械、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、電気自動車専用急速充電設備等)
  4. 省エネビルシステム
     (イ)エネルギー使用合理化設備
     (ロ)エネルギー使用制御設備

対象法人と適用期間は?

 対象となる法人は、青色申告書を提出する法人になります。税額控除制度については、中小企業者等に限定されています。平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に一定の設備を取得などした場合に適用があります。即時償却については平成27年3月31日までとなります。この期間内に設備投資をした資産が対象です。ただし、合併による解散以外の解散の日を含む散事業年度および清算中の各業年度は適用がありません。


対象となる設備は?

 上の図のようにそれぞれの制度ごとに対象となる資産が異なります。即時償却が認められているのは、一定の太陽光発電設備、風力発電設備およびコージェネレーション設備のみとなります。


即時償却の適用を受ける場合

 即時償却の対象となる特定エネルギー環境負荷低減推進設備等について即時償却の適用を受ける場合には、その設備の減価償却限度額は、設備の普通償却限度額と特別償却限度額(その設備の取得価額-普通償却限度額)の合計額となります。特別償却限度額が、その設備の取得価額から普通償却限度額を控除した残額となるため、結果として取得価額を即時に償却することができます。即時償却の不足額がある場合には1年間繰越すことができます。


 即時償却の適用を受けようとする場合には、確定申告書に控除の対象となる設備の取得価額、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細を記載した書類〔別表十六(九)または特別償却の付表(二)〕の添付がある場合に限り適用されます。


特別償却の適用を受ける場合

 特定エネルギー環境負荷低減推進設備等以外のエネルギー環境負荷低減推進設備等について特別償却の適用を受ける場合には、その設備の減価償却限度額は、設備の普通償却限度額と設備の基準取得価額の30%相当額の合計額となります。特別償却額の不足額がある場合には1年間繰越すことができます。


 特別償却の適用を受けようとする場合には、確定申告書に控除の対象となる設備の取得価額、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細を記載した書類〔別表十六(九)または特別償却の付表(二)〕の添付がある場合に限り適用されます。




税額控除の適用を受ける場合

 環境関連投資促進税制の適用となる設備について特別償却の適用を受ける場合を除き、適用対象年度の所得に対する法人税の額から、その設備の取得価額の合計額の7%に相当する金額を控除することができます。ただし、適用対象年度の法人税の額の20%が上限となります。20%の上限に達して控除をすることができなかった税額控除額については1年間の繰越が認められています。




 税額控除の適用を受けようとする場合には、確定申告書に控除の対象となる設備の取得価額、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細を記載した書類(別表六の十一)の添付がある場合に限り適用されます。税額控除される金額は、確定申告書に添付された書類に記載された設備の取得価額を基礎として計算した金額に限ることとされています。なお、別表六の十一は設備等の概要を記載する欄が小さいことから、税額控除の適用を受ける場合でも、特別償却の付表(二)の添付も推奨されております。


適用を受ける場合の注意点

 環境関連投資促進税制の適用を受ける場合の注意点は次の通りです。


  1. 平成25年の税制改正により、国や地方公共団体から補助金等の交付をもって取得などした設備については補助金と減税で国等から支援が重複適用となるため、環境関連投資促進税制の適用対象から除外することになりました。
  2. 特別償却については、所有権移転外リース取引により取得した設備については適用されませんので、所有権移転外リース取引により取得した設備については税額控除のみの適用となります。
  3. 特別償却や即時償却の適用により当期の利益が少なくなってしまうことが好ましくない場合には、特別償却準備金として積立をする方法を選択することができます。

 環境関連投資促進税制は、太陽光発電設備を導入して、設備投資額の全額を投資初年度に経費化することがよく行われているようです。対象となる設備が増えているので、これらの環境関連設備を導入することを検討されている企業の方は検討に値する制度だと思います。


佐藤税理士事務所/佐藤昭一>

解説者

佐藤税理士事務所/佐藤昭一       公式ウェブサイト:http://www.nicechoice.jp/

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