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設備投資が増加した場合の投資減税

テーマ:税務

実務編

2013年12月 9日

 税制改正では、その時のトレンドに合わせて社会政策的な目的や景気対策からさまざまな減税措置が図られます。今回から数回にわたって、期間限定の減税措置について解説していきます。これからの強い会社は、税制のトレンドにものってうまく資金繰りを回していく必要があります。
 まずは数回にわたり、平成25年度の税制改正でできた設備投資減税制度についてわかりやすく解説します。


設備投資減税とは?

 設備投資減税とは、ある一定の条件に従った設備を企業が導入した場合に、税制面でその導入をバックアップする制度になります。ただ単にバックアップをするのではなく、国の方向性として、このような企業を増やしたいという政策的な目的を持っていることが特徴です。減税措置は具体的に「特別償却」と「税額控除」という2つの方法があります。どちらの制度を選ぶかは企業に委ねられます。


 特別償却とは、税法で認められている設備の減価償却費に追加して、導入年度のみ償却費を特別に増やすという制度です。通常の減価償却より初年度の経費計上額を多くできるため、経費計上額分の税金を減らすことができます。
 税額控除とは、設備の購入金額の○%の法人税を減税するという制度です。
 特別償却と税額控除のどちらかを選択する必要があります。どちらが有利なのかは対象となる企業の状況により異なります。特別償却は初年度の減価償却費を多めに計上することを認めている制度で、設備を使用している期間全体の減価償却費は設備投資減税を受けない場合と変わりません。つまり、最初に経費を前倒しで多く計上することを認めている制度となります。


 一方の税額控除制度は、減価償却とは別に設備投資額の○%の税金が減税される制度ですので、常に利益が出て法人税が課税されている企業では、税額控除制度を使ったほうが有利となるケースが多いのではないかと思います。


生産等設備投資促進税制とは?

 生産等設備投資促進税制とは、国内の設備投資需要を喚起する目的で設けられた制度になります。国内の設備投資を増加させた法人が、新たに国内で取得等をした機械装置について、設備投資減税を認めるという制度になります。単に設備投資をすればいいだけではなく、設備投資を前年に比べ増加させた場合に限定されていることが特徴です。そのため適用を受けられるかどうかの判定は難しいものとなっています。


設備投資を増加させた場合に該当とは?

 生産等設備投資促進税制のポイントとなるのは、どのような場合に設備投資を増加させた場合に該当するのかということです。設備投資を増加させた場合に該当するには、次の2つの条件を満たす必要があります。
1.国内における生産等設備への年間総投資額が、適用事業年度の減価償却費を超えていること
2.国内における生産等設備への年間総投資額が、前事業年度の生産等設備への年間投資額と比較して10%超増加していること



対象法人と適用期間は?

 対象となる法人は青色申告書を提出する法人になります。対象期間は平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度になります。この期間内に設備投資をした資産が対象です。ただし、設立事業年度、解散事業年度及び清算中の事業年度は適用がありません。


対象となる設備は?

 法人が取得等をした生産等資産(表1)のうち、機械及び装置で、適用年において国内にある法人の事業の用に供されているものが対象となります。


生産等資産とは?

 法人が取得等した1又は2以上の生産等設備を構成する減価償却資産で次に該当する国内の事業の用に供するものが対象となります。



 ただし、本店、寄宿舎等の建物、事務用器具備品、乗用自動車、福利厚生施設等は該当せず、生産物の製造のための設備が該当します。


特別償却の適用を受ける場合

 生産等設備投資促進税制の適用となる機械等について特別償却の適用を受ける場合には、その機械等の減価償却限度額は、機械等の普通償却限度額と特別償却限度額の合計額となります。特別償却限度額は機械等の取得価額の30%となります。特別償却の不足額がある場合には、1年間繰越すことが可能です。



 特別償却の適用を受けようとする場合には、確定申告書に控除の対象となる機械等の取得価額、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細を記載した書類〔別表十六(九)又は特別償却の付表(六)〕の添付がある場合に限り適用されます。


税額控除の適用を受ける場合

 生産等設備投資促進税制の適用となる機械等について特別償却の適用を受ける場合を除き、適用対象年度の所得に対する法人税の額からその機械等の取得価額の合計額の3%に相当する金額を控除することができます。ただし、適用対象年度の法人税の額の20%が上限となります。20%の上限に達して控除をすることができなかった税額控除額については、1年間の繰越が認められています。


 税額控除の適用を受けようとする場合には、確定申告書に控除の対象となる機械等の取得価額、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細を記載した書類(別表六の十八)の添付がある場合に限り適用されます。
 税額控除される金額は、確定申告書に添付された書類に記載された機械等の取得価額を基礎として計算した金額に限ることとされています。なお、別表六の十八は機械等の概要を記載する欄が小さいことから、税額控除の適用を受ける場合でも、特別償却の付表(六)の添付も推奨されております。



適用を受ける場合の注意点

 生産等設備投資促進税制の適用を受ける場合に注意をすべき点は次の通りです。


(1)設備投資額が前年に比べて10%超となっているかを判定する際には、生産等資産の取得価額の合計額で判定をします。判定後、特別償却または税額控除の対象となる資産は、生産等資産のうち機械および装置に限られます。判定の対象となる設備と減税の対象となる設備の範囲が異なります。
(2)特別償却については、所有権移転外リース取引により取得した機械等については適用されませんので、所有権移転外リース取引により取得した機械等については税額控除のみの適用となります。
(3)設備の取得等には、取得または製作もしくは建設を含みますが、合併、分割、贈与、交換、現物出資または現物分配並びに代物弁済による取得は除かれます。
(4)特別償却の適用により、当期の利益が少なくなってしまうことが好ましくない場合には、特別償却準備金として積立をする方法を選択することができます。


 対象となる企業は製造業をイメージしているのだと思います。製造業で近年設備投資を行っていない企業で機械等が老朽化している企業が、新たに設備投資をする場合には要件を満たしてくるのではないかと思います。設備投資を増加させる企業は成長軌道に乗っている企業のはずですので、適用が受けられそうな場合には積極的に適用を受けるよう推奨します。平成27年3月31日までに開始する事業年度までの限定措置です。設備投資を考えている企業の方は早めに検討するとよいでしょう。


佐藤税理士事務所/佐藤昭一>

解説者

佐藤税理士事務所/佐藤昭一       公式ウェブサイト:http://www.nicechoice.jp/

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