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連結納税

テーマ:税務

基礎編

2010年6月21日

1.連結納税とは

 法人税は100%支配関係があるグループ企業軍といえども、個別企業ごとに申告納税するのが原則ですが、その例外として連結納税制度があります。この連結納税制度とは、経済実態上は一体とみなしうる企業グループを課税上も一体の組織とみなして取り扱う法人税の納税制度です。親会社とその親会社に発行済株式の全部を直接又は間接に保有される子会社(100%子会社)がその対象範囲となります。100%孫会社も対象となりますが、90%子会社等は対象となりません。


2.申告・納税はどう変わる

 まず、連結納税を行う場合は、事業年度開始3カ月前までに承認申請書を提出します。その後は、親会社が企業グループを代表して、連結所得を計算し、法人税の申告・納付を行います。子会社は連結所得の個別帰属額等を記載した書類を所轄税務署に提出します。
 申告・納付期限は事業年度終了の日から2カ月以内ですが、申告の方は2カ月の申告期限延長の特例があります。
 一度連結納税を選択すると、特別の事情があると認められる場合を除き、継続して連結納税により申告・納付をしなければなりません。
 ちなみに、連結納税できるのは、法人税だけです。消費税、事業税、住民税は連結納税の際に計算した個別の課税標準に基づき、各法人単位で申告納税することになります。


3.事業年度が異なる場合

 親会社と子会社の事業年度が異なる場合、子会社の方が、親会社の事業年度にあわせたみなし事業年度で期間を区切り、所得計算を行うこととなります。


4.税額計算の特徴

 連結納税する場合は、連結グループ内の各法人の所得金額を基礎とし、これに所要の調整を加えた上で、連結グループを一体として計算しますが、単体納税と異なる主な特徴としては以下の通りです。


(1)グループ内の損益通算
 親会社が黒字、子会社が赤字の場合、黒字と赤字が相殺でき、全体の納税額が少なくなります。


(2)開始時の時価評価
 連結納税開始時に固定資産などを時価評価し、評価損益を計上します。ただし、含み損益が少額のものは除かれ、親会社、5年超保有される子会社、親会社により設立させられた子会社については適用対象外となります。


(3)繰越欠損金
 連結納税開始時の繰越欠損金については、親会社の欠損金は繰越できますが、子会社の連結開始・加入前に生じた欠損金額をその個別所得金額を限度として連結納税制度のもとでの繰越控除の対象になります。


(4)資産の譲渡損益繰り延べ
 グループ内で資産を移転した場合、グループ外へ移転するまではその資産にかかる譲渡損益は計上されないこととなります。


(5)受取配当金所得税の源泉徴収義務II
 連結グループ内の子会社からの配当については、受取配当等の益金不算入の計算は負債利子の控除をしません。


(6)同族会社留保金
 留保金課税の計算は連結法人グループ全体で計算します。親会社、子会社ともに黒字で限度を超える場合は、2,000万定額控除が1社分となる上に累進税率のため税額が増えることとなります。


(7)交際費
 交際費の損金不算入額の計算は親会社の資本金額を基に計算します。親会社が資本金1億円超であれば、子会社の資本金が1億円以下であっても、800万円の定額控除は受けられず、親会社、子会社の交際費全額が、損金不算入となります。


(8)中小企業の軽減税率
 親会社の資本金額を基に中小企業の軽減税率が適用となります。親会社の資本金が1億円超の場合は軽減税率が適用できません。親会社・子会社とも1億円以下の場合でも800万円以下の軽減枠は1つとなります。


(9)寄附金
 連結グループ内の法人間の寄附金については、全額が損金不算入となります(平成22年10月1日以降は寄付を受領する法人は益金不算入)。寄付金の損金算入枠の計算は連結グループ全体で計算します。


(10)貸倒引当金
 連結グループ内の法人間の金銭債権については、貸倒引当金の繰入限度額の計算上、除外されます。連結納税を選択する場合は十分に検討しましょう。


 連結納税の最大のメリットは親子会社の損益を通算できる点ですが、親会社の資本金が1億円超の場合は、デメリットが生じることもあります。全ての100%子会社を連結しなければならない点、継続適用しなければいけない点等を踏まえ、適用するかどうかを決めたいところです。

解説者

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